Kバレエカンパニー 「海賊」を観る2008/08/02

昨日、Kバレエカンパニーの「海賊」を観ました。
昨年の12月にレニングラード国立バレエを観て以来、東京バレエ団、ロイヤル・バレエ、パリ・オペラ座、アメリカン・バレエ・シアターと観ましたが、う~ん、バレエ鑑賞初心者の私の印象ですが、学芸会の出し物という感じがしました。最初の海の場面が…。
いいバレエ団を見過ぎたのかもしれません。
私的には見た目でアメリカン・バレエ・シアターが気に入っています。あくまでも見た目。
テクニック(私にはまだわかりません)ではないですので、あしからず。
立て続けにいいバレエ団が来すぎですよ。来年も来るらしく、あ~ぁ、無駄遣いができません。
能は能楽堂が職場から遠くなったし、25周年の券は取れませんでしたので、当分は観られません。
バレエとミュージカルで目の保養をしますわ。

<キャスト>
メドーラ     吉田都
コンラッド    清水健太
アリ        遅沢佑介
グルナーラ   松岡梨絵


熊川さん(また怪我をしたそうです)が出演する公演の券はなかなか取れないそうです。
今回は吉田さんを観ようと思ったので、全然問題ありませんでしたが。
次回の「コッペリア」で熊川さんを見ようと思ったら、券が買えませんでした。
まあ、今回の公演を観て、別にKカンパニーは見なくていいかなと思ったので、別にいいです。
それに、「コッペリア」までに治るのでしょうか?

「海賊」の内容は、これといってたいしたもんじゃあないです。
(第一幕)嵐に見舞われて仲間とともに海岸に打ち上げられた海賊コンラッドは、助けてくれたギリシャ娘のメドーラと恋に落ちます。
そこへトルコ軍がやってきて、メドーラと彼女の友人(姉妹?)グルナーラはさらわれ、奴隷商人の手に渡ってしまいます。
奴隷市場で、まずはグルナーラが売り飛ばされ、彼女の美貌を気に入ったトルコ総督パシャに買われます。
続いてメドーラが競売に掛けられると、金持ちの商人に化けたコンラッドとその一味が奴隷商人のランケデムと、競売に掛けられていた女の子をみんなかっさらって逃げます。

(第二幕)海賊の洞窟で華やかな宴会が開かれています。
仲間のビルバントは、コンラッドがギリシアの娘たちを解放したのが気に入らず、夜になり、ランケデムを味方に味方に引き入れ反乱を起こします。
この騒ぎを聞きつけ、コンラッドの忠臣アリがかけつけますが、メド―ラがビルバント達に連れ去られた後でした。
トルコ総督のハーレムで、総統は女の子をはべれせていました。
そこにコンラッドとアリが侵入、メド―ラとグルナーラを助け出しますが、アリはビルバントに撃たれて死んでしまいます。

なんか話自体はたいしたことありませんね。
主役の二人より、脇役のアリとかグルナーラの踊りの方が見せ場があるんですから。
特に男性ダンサーにとっては、アリは嬉しい役ですよね。
体型では日本人ダンサーも外国人とひけをとらないと思いました。
Kカンパニーの人達はすらりとした人が多いですね。
東京バレエ団の方がバラエティがありました。
でも、踊りは…。なんかメリハリがないというか、ベタ~とした感じでした。
ただ高くジャンプすればいいというもんじゃあないでしょうし、最後の決めが弱いというか…。
外国のダンサーは見せ方をしっているようです。
日本人男性ダンサーは柔軟性があまりないように思いました。
アメリカン・バレエ・シアターの「海賊」を見たかったとつくづく思います。
期待の吉田さんはというと、ピタッと決めていました。
が、あまり主役の出番が少ないので、残念でした。
次の「コッペリア」では、もっと彼女の踊りが見られるかしら?
ちょっとパンチのない(華のない?)Kバレエカンパニーの「海賊」でした。

来週はパリ・オペラ座バレエ団のエトワールが出るという「エトワール・ガラ2008」を観ます。どんな踊りを見せてくれるのか、楽しみです。

ケチャまつり2008/08/03

昨夜、知り合いがケチャをやるというので、見に行ってきました。
新宿の三井ビルの広場で、7月31日から8月3日までやっています。
何故だかわかりませんが、グルジアとブルガリアの合唱とかバナナのたたき売りがあるとか。
私は始め、バリ島やグルジア、ブルガリアの人たちがわざわざ日本に来てるんだと思い込んでいましたが、どうも変。
よくよく聞くと、日本人がやるそうです。
この祭は、「AKIRA]の音楽を担当した人が主催している山城組がやるとか。
見に来る物好きはいるのかと思いつつ、新宿だから通りがかりの人がいるだろうと予測して、始まるという8時ちょうどに三井ビルに行くと、狭い広場には結構な人がいました。

いよいよケチャの始まりです。
もちろんやるのは日本人たちです。
ケチャが今のような、観光客相手の舞踏劇の姿になったのは、1930年代後半からなのだそうです。
もともとは疫病が蔓延したときなどに、初潮前の童女を媒体にして祖先の霊を招き、加護と助言を求めるものであったそうな。(ウィキペディア(Wikipedia)より)

上半身裸のモンキー達が登場して、ケチャが始まります。
途中日本語の解説が入り、何をやっているのかがわかります。(写真は携帯で撮ったので、写りが悪いです)
終わりが唐突でした。
モンキー達があまり合っていないのも、ご愛敬ですね。

遅い食事をしてから帰りました。新宿は相変わらず人が多く、蒸し暑かったです。

「対決―巨匠たちの日本美術」@東京国立博物館平成館2008/08/04

美術研究誌『國華』創刊120周年を記念した展覧会です。
『國華』は明治22年、岡倉天心、高橋健三によって創刊され、世界で最も古い歴史を持つ美術専門誌だそうです。

<対決>のパターンにはいくつかあります。
焼き物関係は全くわからないので、除外します。
オレンジ色の鮮やかな茶碗などもらっても、猫に小判。
焼き物は難しいですね。

ライバル対決は長谷川等伯VS狩野永徳。
意外と私、細かい絵が好きです。
等伯の描いた≪萩芒図屏風≫が気に入りました。
萩や芒が風になびいているような雰囲気がいいのです。
全国行脚対決では、木喰VS円空。
これは円空ですね。
ナタやノミの跡が生々しい、素朴な木彫りに、なんとも言えない趣があります。
文人画対決は、池大雅VS与謝蕪村。
私の無知故、蕪村があんなに絵が上手だなんて知りませんでした。
≪鳶鴉図≫がいいですね。
私淑対決では、尾形光琳VS俵屋宗達。
宗達の≪秋草図屏風≫が好きです。野の花の美しさがよく表れています。この屏風、くれるものなら、もらいたいです。
奇想対決は、長沢芦雪VS円山応挙。
虎の絵では、応挙の虎は猫っぽく、顔がかわいらしく、この頃の人は本物の虎を見ていないのだと思いました。
でも、毛の質感がすごいです。
芦雪の虎は構図がよく、虎が飛び出てくるような感じです。(写真参照)
虎では負けた応挙ですが、≪保津川図屏風≫では、川の流れがよく描かれています。
もうひとつの私淑対決は、雪村周継VS雪舟等楊。
花鳥図と山水画では、雪舟に軍配があがります。

こんな風に、勝手にどちらが好きか、判断していきます。
おもしろい展覧会でした。
今週で終わりますので、興味を持った人は急いで行ってください。
今週は「風神雷神」が見られますから、お得です。

韓国ドラマ 「宮」を観る2008/08/05

同僚から借りた「コーヒープリンス1号店」は第8話まで見終わりました。
9話からのDVDは8月下旬に発売になるので、その時までお預けです。
というわけで、しばらく韓国ドラマとはお別れと思っていたら、どういう訳か知りませんが、また新しいDVDを貸してくれたのです。
「コーヒープリンセス」でりりしい(?)姿を見せてくれたユン・ウネちゃんが、「宮」では皇太子妃になります。
といっても、韓国ドラマですから、最初から皇太子妃ではないですよ。
お決まりの、今回は父親が借金の保証人になったばかりに、借金を肩代わりしている、貧乏人家族の長女の役です。

時は2006年。
韓国にまだ王室が続いていたら、という前提の話です。
原作は漫画だそうで、どうりで漫画チックだと思いました。
ユン・ウネちゃん扮するシン・チェギョンの祖父が前皇帝と約束したとかで、皇太子妃になっちゃうという、ありえないことがもちあがります。
皇太子は同じ高校に通っているのですが、いけ好かない奴で、付き合っている彼女にプロポーズをし振られ、それをチェギョンは見てしまいます。
家族のことを考えると、皇室に入ることは助けになります。
悩むチェギョンですが、結局結婚することにします。
でも、そうは甘くはありあません。

まあ、そういうわけで庶民から皇太子妃になった女の子が起こすドタバタ劇で、格好いい第二王子(が出てきて、いろいろと恋のさや当てがあり、なんだかんだで、最後はもちろんハッピーエンド。
こういう分かりやすいドラマっていいですね。
あ、ユン・ウネちゃん、ちゃんと女の子してます。
彼女のキャラは破天荒なのです。

「コロー展―光と追憶の変奏曲」@国立西洋美術館2008/08/06

今年の夏はなかなかいい美術展が開催されています。
このコロー展もそのひとつです。
今月中までなので、急いで行ってきました。

コローは1796年パリに生まれ、26歳で画家になったという人です。
都会の生まれなのですね。だから、町よりも田舎の風景を描いたのでしょうか。
若い頃の作品はイタリアの風景画が多いのですが、あまりコローらしくはなく、建物がカッチリ描かれていて、色遣いもどちらかというとはっきりしたものです。
私の好きな風景画は、別荘のヴィル・ダブレーを描いた一連のものです。
これこそコローの絵。
特に水辺を描いたものが好きです。
木と水に彼の特徴が現れていると思います。
美術展のキャッチコピーに使われている、「コローのモナリザ」、「真珠の女」は髪飾り(?)らしきものがキラキラと光っていて、これは実物を見ないとわかりませんね。
彼はこの絵を一生売らず、手元に置いておいたそうです。
モナリザというより、フェルメールの「青いターバンの少女」のようだと思いました。
他には「もの思い」や「青い服の女」、「本を読むジャルトル会修道士」がよかったです。
彼は一枚もお金のために人物がを描かなかったそうです。
そのためなのか、一人一人の女性や人物に、生きている人間の息づかいのようなものが感じられました。
今回の美術展ではコローの絵ばかりではなく、同じような構図で描いてある他の画家の絵も展示してあり、違いを比較することができます。
フランスの森の中を歩いているような感覚を与えてくれた美術展でした。

「プリティ・プリンセス」&「プリティ・プリンセス 2」を観る2008/08/07

今、同僚のおばさまが貸してくれた韓国ドラマ「宮(クン)」を観ています。
おばさま、私を韓流ファンにしようという魂胆かしら、笑。
同じような話がアメリカ映画ではどうなっちゃうかというと…。
パッとしない女の子というのが、同じ設定ですが、シンデレラ物語ではありません。
その子が王位を継ぐのですから、お国柄の違いですね。

内気でルックスもさえないミア(アン・ハサウェイ)は、実はジェノビア国の王女でした。
両親は彼女が幼いときに離婚し、父とはずっと会っていませんでしたが、その父が事故で死んでしまいます。
そのため、ミアが唯一の王位継承者になってしまい、祖母の女王(ジュリー・アンドリュース)がミアを迎えにやってきます。(ジュリーはとっても素敵な女王です)

さて、ここからおもしろくなっていきます。
ただのヤンキー娘が王女様になるんですから。
ユン・ウネちゃんはそんなに変わりませんでしたが、アン・ハサウェイは大変身。
最後は、もうおわかりですね。

「プリティ・プリンセス2」では、ミアは大学を卒業し、女王になるためにジェノビア国に帰国します。
しかし、女性が王位を継ぐためには結婚しなければならないと言われ、30日の猶予が与えられます。
でも、30日で恋するのは無理。
そこに王位を狙うメイブリー子爵が現れ、ミアを陥れるためにいろいろと策略を練ります。
さて、ミアは王位を継ぐことが出来るのでしょうか。

なんのことはないお話しですが、「宮」も「プリティ・プリンセス」も軽いのりがいいです。
何も考えずに笑いたいときに、お勧めの映画です。

「クィーン」を観る2008/08/09

1997年8月にダイアナ妃が亡くなりました。
あれからもう10年以上が過ぎてしまったのですね。
ダイアナというと、人によって見方が違いますね。
私なんかは、変なTVインタビューを見てしまったものですから、精神的に危ない人という印象を持っています。
この映画はブレアが首相に選ばれ、ダイアナがパリで亡くなるところから始まります。
日本の皇室で雅子様にいろいろとあることは知ってはいても、それをドラマや映画にするなどということは、絶対にありえませんが、イギリスの王室はおおらかというか、寛容というか、なんなんでしょうね。
お国柄の違いで片付けちゃっていいものかどうか…。

ダイアナが亡くなった時、あくまでも王室に伝わる伝統を重んじようとするエリザベス女王と家族は、特にアクションを起こしませんでした。
あくまでもダイアナの実家の意思を尊重していたのです。
ところがマスコミは容赦しませんでした。
皇室バッシングを始めてしまい、皇室の存在までも揺るがすことになりかねなくなってしまったのです。

いろいろな人たちにインタビューをして書いたのでしょうが、皇室の人たちの会話が、結構ありそうで笑ってしまいますね。
「死んでもお騒がせやのダイアナ」とか実は言っていそう。
それにしても王子たちを、遺体が戻ってきても会いに行かせなかったことが、理解できません。
その代わりに鹿狩りに連れて行くなんて。
外の空気を吸うことは別にいいのですが、失われた生命があるにもかかわらず、動物を殺害して生命を奪うことに何も感じないということが、恐ろしい精神構造だと思います。

首相になったばかりのブレアが出てきますが、本当に彼はあのようなことをしたんでしょうか。
彼のポイントが上がりました。
女王が、父親の予期せぬ死によってなってしまった女王という身分を、50年間も守ってきたということに対する尊敬の念を表していましたが、本当にそう思っているのでしょうか。
それにしても、ブレアの奥さんはかわいそうな描かれ方です。
ブレアに向かってマザコンとか、あなたの恋人(女王のこと)とか、辛らつなこと言ってます。

国民の感情を考え、古い皇室の伝統を破り、ダイアナに対し特別なことをしなければならなかった、エリザベス女王の苦悩がよく描かれています。
感情を封印して生きざるえなかったのです。
"Duty, first. Self, second."という言葉に込められた思いがすべてです。
殺された鹿をわざわざ見に行った女王は、死んだ鹿に自分の姿を見ていたのでしょうか。

「一本の鉛筆」で平和を思う2008/08/10

昨夜は久しぶりに元同僚と会いました。
来る人も毎回同じなので、そろそろ恒例になりそうです。

元同僚の中に、緑内障仲間がいます。
彼は千葉県に住んでいるのですが、都心の病院に2ヶ月おきに通院しています。
視野検査をすると、少し良くなっていると医師に言われたそうで、とってもうれしそうでした。
主治医はよく説明をしてくれる方で、定年後、他の病院に行こうかとも思ったのですが、やめたと言っています。
実は彼の通院している病院は、前に私もかかっていました。土曜日に仕事があるので、予約が取りづらくなったのと、緑内障専門医が信用できそうもないので、他の病院にかわったのです。
結局、病院より、どの医師に診てもらうかが大事ですよね。

彼(Eさん)は生まれが長崎です。
そう、昨日8月9日は長崎に原爆が落とされた日です。
親子三人でテレビを観ながら黙祷をしたそうです。
Eさんの父親は、当時、長崎の軍事工場に勤めていて被曝しました。
晩年、盲目になりました。
母親は49歳で、脳出血で亡くなったそうですが、血圧が尋常じゃない上がり下がりだったそうです。
原爆症だったんじゃないかとのことですが、原爆症とは認定されていなかったそうです。

Eさんの奥様も長崎出身ですが、結婚して上京し、病院で原爆症のことを言った時、医師が「原爆症・・・?」と嫌そうな反応をしたそうです。
原爆に対する世の中の認識はそんなもんだよと、Eさんは悲しそうに話してくれました。

美空ひばりが「一本の鉛筆」という歌を歌っていたそうです。
その歌は原爆のことを歌った歌で、ひばりが歌っていることに、Eさんは驚いたそうです。
CDを買い、この頃毎日聞いているそうです。
歌を調べてみると、広島テレビ放送が広島で平和をテーマにした音楽祭をしようと計画し、参加する歌手にテーマに沿った新曲を発表して欲しいと依頼し、作られた歌だそうです。
1974年、第一回平和音楽祭ではじめて歌われました。
美空ひばりのことはそれほど知りませんが、年代的に戦争経験者であると思っていました。
彼女は横浜大空襲を経験し、父親が徴兵されていたようです。
テレビでは20代の若者が戦争は昔のことだから、関係ないと言っていました。
風化する戦争をどう次の世代に伝えていくのか、本当に難しいですね。
私自身も、祖母や親に戦時中の話を聞こうとしたのですが、北海道だったので、空襲はなく、食料も十分にあり、そんなに大変な思いをしていないと言われました。
唯一、ロシア兵士が家に来たことがあり、その姿が恐ろしかったそうです。
Eさんはどのような思いで、「一本の鉛筆」を聞いているのでしょうか。


    一本の鉛筆

 【作詞】松山善三 【作曲】佐藤 勝


 あなたに 聞いてもらいたい
 あなたに 読んでもらいたい
 あなたに 歌ってもらいたい
 あなたに 信じてもらいたい
 一本の鉛筆があれば
 私は あなたへの愛を書く
 一本の鉛筆があれば
 戦争はいやだと 私は書く


 あなたに 愛をおくりたい
 あなたに 夢をおくりたい
 あなたに 春をおくりたい
 あなたに 世界をおくりたい
 一枚のザラ紙があれば
 私は子どもが欲しいと書く
 一枚のザラ紙があれば
 あなたを返してと 私は書く


 一本の鉛筆があれば
 八月六日の朝と書く
 一本の鉛筆があれば
 人間のいのちと 私は書く


「エトワール・ガラ2008」を観る2008/08/11

バレエを見だすと、次から次へといいバレエ団が来日するので、とっても困ります、笑。
来年10月にはニューヨーク・シティ・バレエが来るとか。
こんなに世界各国のバレエが観られるのは、日本だけですよね。

回のエトワール・ガラは、渋谷のオーチャードホールで行われました。
実はこのホール、私はあまり好きではありません。
できれば文化会館でやってもらえると、嬉しいのですが。

今回観たのは、パリ・オペラ座のエトワールが中心となっているガラです。
パンフレットを読むと、演目はすべて出演者自らが選んだものだとか。
アメリカン・バレエ・シアターのオールスター・ガラと比べると、演ずる人達にそれなりの思い入れがあったのが、よくわかりました。
最後のフィナーレがすごかったのです。

1)「ハムレット」第2幕より”パ・ド・ドゥ”
    シルヴィア・アッツォーニ
    イリ・ブベニチェク

「ハムレット」というからには、シェークスピアの時代のと思うでしょうが、なんと現代風「ハムレット」でした。
セーターを着て、荷物を持ち、どこかに行くために急いでいるハムレットが登場し、オフェーリアと踊ります。
キュートなオフェーリアです。
ハムレットは、あの苦虫をかみつぶしたような顔ではなくて、普通の気の良い男の子という感じです。

2)「ジゼル」第2幕より
    スヴェトラーナ・ルンキナ
    マチアル・エイマン

はじめて生で観る「ジゼル」です。
衣装の白いロマンティック・チュチュが美しいですね。
精霊となったジゼルというのが、よくわかりました。
全幕を観たいです。

3)「椿姫」第1幕
    エレオノラ・アバニャート
    バンジャマン・ベッシュ

マルグリットとアルマンの出会いのシーンです。
生ピアノの音と共に踊る二人。
ついつい音楽に眠気を誘われてしまいました、笑。

4)「メリー・ウィドゥ」
    マリ=アニエス・ジロ
    マチュー・ガニオ

や~、幕が開くと、眠気も吹っ飛びました。
でかい!なんてでかい女性!
マチューが小柄に見えてしまうほど、ジロさんは大きかった。
黒いマントを脱ぐと、なんと黒が基調で、胸のところが紫の刺繍(?)のしてあるクラシック・チュチュを着ていました。
後を向くと、赤いリボンが・・・。
なんということ。パリのエレガンスはどこに?
同じ演目を踊ったアメリカン・バレエ・シアターのジュリー・ケントは膝下まである白いシンプルなドレスで踊っていました。
その素敵だったこと。それと比べると・・・。
技術はあったのかもしれませんが、衣装で印象が悪くなってしまいました。
それからリフトをする男性がかわいそうに思えました。
体格で負けてる。ジロさん、あまりにも肩幅がありすぎ。
失礼なことばかり書いて、ジロさん、怒らないでね。

5)「ラ・バヤデール」第1幕より
    スヴェトラーナ・ルンキナ
    バンジャマン・ベッシュ

「ラ・バヤデール」は南インドの寺院を舞台にした悲恋物語だそうです。
特にこれといった印象はありませんでした。

6)「ロミオとジュリエット」第1幕より”マドリガル”
    メラニー・ユレル
    マチュー・ガニオ

ジロさんに負けていたマチューですが、「ロミオとジュリエット」では魅せてくれました。
初々しい、二人の出会いにうっとりとしました。
こういう踊り、好きです。

7)「思いがけない結末」
    アリ=アニエス・ジロ
    イリ・ブベニチェク

「メリー・ウィドゥ」では度肝を抜かせてくれたジロさんが、やっと本領発揮してくれました。(というか、あの衣装のため、踊りより体格に目が・・・)
白いシンプルなドレス姿はいいですよ。
日常生活の中の男と女のなにげないやりとりが、踊りの中で生き生きと描き出されていました。
ガラの作品の中で、特に好きなダンスです。
コンテンポラリー・ダンスの良さがわかりました。

8)「ベラ・フィギュラ」
    シルヴィア・アッツォーニ
    アレクサンドル・リアブコ
9)「カンツォーニ」
    エレオノラ・アバニャート
    バンジャマン・ベッシュ

コンテンポラリー・ダンスの体操みたいな振り付けは、あまり好きではありませんでしたが、でもまあ、いいかなと思えるようになってきました。
この2つ、後から思い出そうとしても、どっちがどっちだったか、わからなくなっています。
どちらも、よかったのです。
コンテンポラリー・ダンスって、意味を考えるのではなくて、感じることなのかなと、なんとなくわかってきました。

10)「バーンスタイン・ダンス」
    アレクサンドル・リアブコ

歌に会わせて、男性1人が踊りまくりました。
古典バレエでは、男性ダンサーは女性ダンサーの補助役かジャンプしてばかりいるという感じですが、コンテンポラリー・ダンスになってから、男性も自由に踊る場面が増え、男性ダンサーにとっては幸せですよね。

11)「ダンス組曲」
    マニュエル・ルグリ

大御所ルグリがバッハの「無伴奏チェロ組曲」に合わせて踊ってくれました。
唯一の難点が、衣装です。
ジロにしろ、ルグリにしろ、なんで衣装で失敗するんでしょうか?
真っ赤なTシャツとパンツですよ。
もっとダンディに決めて欲しかったです。
その点、アメリカン・バレエ・シアターの方がタキシードなど着ていて、素敵でした。
ルグリさんは音と一体になって、踊っていました。
この人にとって、踊りが喜びなんだなと思わせてくれるような、そんなダンスでした。

この後、フィナーレにはびっくりしました。
上から花吹雪とテープが落ちてくるわ、ダンス音楽が聞こえダンスを踊り、その後客席に行き、お客さんを舞台に上げ、一緒に踊るわ、マチアス&ルグリのピルエット・ア・ラ・スゴンド合戦から、ルンキナ、そしてマリ=アニエス・ジロのフェッテ、マチューの跳躍などなど。
ダンサーも楽しんでいる様子がうかがえました。
最後もジロさんが、存在感をかもし出していました。
私が酷評したチュチュ、気に入っているんですねぇ。
最後にも着てました。
彼女、コンテンポラリーが得意だそうで、そういう感じです。
素顔はかわいい人なのですが、舞台では「姉御」と呼びたくなりました。

とりあえず、夏のバレエ鑑賞は一休み。
次は10月、Kカンパニーの「コッペリア」で、また吉田都さんを観ます。
DVDで少しはバレエのことを勉強しておきますわ。

「宮」観終わりました♡2008/08/13

同僚から借りたDVD8枚、見終わりました。
韓国ドラマといえば、主人公は貧しい女の子で、相手役は家柄のいい男の子。
二人の出会い→事件→誤解による喧嘩→和解(を繰り返しているうちに)→恋に落ちる→家族の反対→事件→喧嘩→和解(何回か繰り返す)→ハッピーエンド
簡単に言っちゃうと、こういう公式に当てはまります。
でも、面白いんです。
「宮」は主人公のユン・ウネのかわいらしさでもっているようなもんです。
そんなに美形ではありませんが、喜怒哀楽の表情が本当にかわいいのです。
よくよく見ると、スタイルがいいんです。
コマーシャルでセクシー路線をやったらしいですが、止めて、「宮」や「コーヒープリンス1号店」のようなコメディ路線に戻って欲しいです。

「宮」の内容は、書くとグチャグチャな人間関係なのですが、でもそんなに嫌な感じではないのです。
やっぱりユン・ウネちゃんの笑顔と涙顔がいいんです。
皇太子妃になってからも心穏やかな日がないチェギョンです。
そういうのも、元彼女のヒョリンが気になってしょうがないのです。
ヒョリンはバレリーナを夢見る女の子ですが、お金持ちのお嬢さんだと嘘をついてました。
本当は母子家庭で、お金持ちの家の使用人だったのです。(でも、いい服着ているのは何故?)
皇太子シンのプロポーズを断ったくせに、チェギョンが皇太子妃になったのを見たら、失ったものを取り返したくなってしまうのです。
ちょっと嫌な女です。
シンはヒョリンに対する未練はあるのですが、屈託のない明るいチェギョンと暮らすうちに、彼女のことが好きになってしまいます。
でもはっきりと言わないので(皇太子は感情を表さないように躾けられているのね)、チェギョンはシンに嫌われていると思い続けます。

そんな時に、皇帝の兄の家族、ソ・ファヨンとイ・ユルがイギリスから帰ってきます。
兄は若くで亡くなったため、彼らは皇室から追い出されたのでした。
ユルはチェギョンのクラスに転校してきました。
シンが冷たいため、悩むチェギョンを慰めているうちに、ユルはチェギョンを愛してしまいます。
父親が死ななければ、自分がチェギョンと結婚していたのに・・・。
いつしかユルは、母親の意志を受け入れ、奪われた皇太子の位をシンから奪おうと考え始めます。
途中から優しいユル君の性格が変わってしまい、残念ですが、最後は・・・。

ユルの母親、ソ・ファヨンは皇帝と愛し合いながらも、その兄と結婚しました。
夫の死後、皇室から追い出されたことを根に持ち、自分の子どものユルを皇太子にしようとし、いろいろと汚いことをやります。
その一つが、新聞社の知り合いに頼み、ヒョリンとシンの写真を新聞に載せるというものです。
スキャンダルで皇室の評判を落とそうとするのです。
ホント、やり方が汚い女性です。
これでもかと、スキャンダルが皇室を襲い、果てはチェギョンの廃妃やシンの廃位の話まで出てきます。
最後の方は、ウネちゃんの泣き顔ばかり。せつないですね。

全然、「冬のソナタ」とは違います(と思う。なにせ見てないもので・・・)。
あらすじを読むと、え~と思うかもしれませんが、主人公達が19歳の芸術高校生ですから、若者向けの楽しいドラマです。
夏休みで暇な時に、いい暇つぶしになりますよ。
音楽もいいです。CD買おうかと、ちょっと思っています。