ダイアン・ウェイ・リャン 『翡翠の眼』2008/07/02

中国人の私立探偵というと、今読んでいるシリーズ物のリディア・チンしか知りません。中国は今いろいろと問題があり、オリンピックがどうなるのか心配ですね。
中国の歴史をどれだけ知っているかと聞かれると、学校で習ったことしか知りませんわ。
たまに見る中国映画でかいま見るぐらいです。

主人公の王梅(ワン・メイ)は元公安部員。
訳ありで公安部を辞め、北京で探偵事務所を開業します。
といっても、私立探偵は公には認められていないので、一応情報コンサルタントとして登録しています。

ある日、家族ぐるみで親しくしている陳おじさんが事務所にやって来て、曹操の翡翠の印章探しを依頼します。
印章を探し始めた頃、母親が倒れ、病院に入院してしまいます。
陳おじさんと一緒に呉大伯という人物が見舞いに訪れます。
彼は母親と同じ所で働いていたというのですが、何やら秘密の匂いがします。
翡翠の印章探しから、母親の過去が暴かれていきます。
母親の過去とは、そうあの文化大革命の頃です。

ミステリーというより、家族にまつわる秘密と家族愛の物語りという感じです。
私たちにはわからない中国があります。

ロイヤル・バレエ 「シルヴィア」を観る2008/07/04

なんともはつらつとしたバレエでした。
東京バレエ団の時は、体格的にいろいろでしたが、今回はみんなすらっとして、足も長く、見とれました。
特にエロスの人はいい身体をしてますねぇ。
素人の意見ですが、後ろのコールドそろっていないような感じでした。
そうそう、リフトをしながら、舞台袖から出てきたのにはびっくり。
男性は腰悪くしそうです。

シルヴィア:マリアネラ・ヌニェス
アミンタ:デヴィッド・マッカテリ
オリオン:ティアゴ・ソアレス
エロス:マーティン・ハーヴェイ
ディアナ:マーラ・ガレアッツィ

(第一幕)女神ディアナに使えるニンフのシルヴィアに恋している羊飼いのアミンタが、陰からシルヴィアを見ていると、見つかってしまいます。
シルヴィアに愛を打ち明けるのですが、愛を放棄することを誓っているたシルヴィアは激怒し、エロス像に矢を放ちます。
その矢は、エロスをかばおうとしたアミンタの心臓に当たってしまいます。
エロスは像のはずなのに、何故か弓を引いてシルヴィアに応酬し、今度はエロスの矢がシルヴィアの胸に当たります。
アミンタは死んでしまいますが、シルヴィアはエロスの矢が当たったため、アミンタを愛していることに気づき、悲嘆に暮れます。
そこに、シルヴィアに横恋慕しているオリオンがやって来て、シルヴィアを捕らえ、自分の住む島に連れて行きます。
農民がアミンタの亡骸を見つけ、涙に暮れていたとき、マントをまとった男(実はエロス。変な踊りをします)がやって来て、花びらをアミンタの唇に押しつけると、なんとアミンタは生き返ります。
見知らぬ男はアミンタにシルヴィアがさらわれたことを言い、探しに行かせます。

(第二幕)オリオンの島にさらわれたシルヴィアは、美しい宝石や洋服で誘惑されますが、うんと言いません。
言い寄られるのが面倒なので、踊り続け、オリオンを酔わせます。
そこに、エロスが現れ、シルヴィアを助け、アミンタの所まで連れて行きます。

(第三幕)アミンタとシルヴィアは再会します。が、オリオンが現れ(しつこいぞ!)、シルヴィアをさらおうとします。
シルヴィアは神殿に隠れます。
オリオンが神殿に押し入ろうとしたところ、怒ったダイアナが現れ、オリオンを殺してしまいます。
その上、シルヴィアとアミンタが結ばれることを禁じようとします。
しかし、エロスはダイアナにかつて羊飼いのエンデュミオンに夢中になったことを思い出させ、二人を許すようにします。

や~、単純な話でいいですね。
舞台や衣装が綺麗で、それだけで私は嬉しいです。
「ル・パルク」のパリ・オペラ座はスタイリッシュでモダンだったのですが、「シルヴィア」のロイヤル・バレエは若々しく、かわいらしいですね。

来週は『眠りの森の美女』です。楽しみです♪

S.J. ローザン 『冬そして夜』2008/07/06

この本はアメリカ探偵作家クラブ賞受賞だそうです。
このシリーズは、がっかりさせられることのないシリーズです。
ビルはどんな生い立ちをした男か、まったくわかっていませんでしたが、今回で少し彼の育った家庭がわかります。

父親はDVをやっており、殴られて死にそうになったビルが警察に訴えたために、父親は刑務所に入ります。
その頃、家が嫌になった妹ヘレンは家出をし、行方不明になり、それ以来数回しかビルはヘレンに会っていません。

11月の深夜、警察から呼び出され、警察署に行ったビルは甥のゲイリーと再会をはたします。
ゲイリーはやることがあるからと言って、詳しい理由は言わずに、ニューヨークに来たのです。
家に連れてきたのですが、ゲイリーはビルの家から逃げ出します。
ゲイリーのことが心配になったビルは、妹家族がどこに住んでいるのかを突き止め、妹に会いに行きます。

ヘレンの夫スコットはビルを毛嫌いしており、たまたまビルが訪れたときには、ゲイリーを探しにニューヨークに行っており、会わずにすみました。
甥一家の住んでいるワレンズタウンは、フットボールの盛んな町でした。
フットボール部員は特別扱いされており、何をやっても大目に見てもらえます。
スピード違反、飲酒、放尿、いじめ、なんでもOK。
ゲイリーはそのフットボールをやっていました。

ビルがゲイリーの通っている高校を調べ始め、一時ゲイリーと付き合っていたと言われる少女をつきとめます。
少女に会いに行くと、親がいない間に、パーティをやっており、家はメチャメチャになっていました。
警官を呼んで家を調べてもらうことにしますが、「Parents-are-away party」、PAAPと呼ばれていて、この町の伝統だとのこと。
とりあえず、家の中を調べてもらうと、少女は死体で見つかります。
どうもこのパーティに、フットボール部員が関係しているようですが、誰もパーティに参加したとは認めません。

この町には23年前に、少女がレイプされ、殺されたという事件がありました。
あるフットボール部員が犯人と思われていたのですが、その後、別の少年が自殺をして、自殺した少年が犯人とされ、事件は解決されていました。
23年前の事件と今回の事件はどう繋がりがあるのか。
そして、ゲイリーは何のために、姿を隠したのか。

アメリカのフットボールは盛んだと聞いていますが、それがこれほどまでにもなっているのかと思える内容です。
メジャーのスポーツ選手はいけてて、他の奴は「変人」として蔑む。
こんなんで健全な若者の成長がありえるのかと思います。
まあ、アメリカのどこの町もこうだというわけではないのでしょうが。
事件は思わぬ方向へ。
これ以上書くとネタバレになるので、いつもと同じように中途半端ですが、終わりにします。

とにかくお勧めの一冊です。

Lucy Maud Montgomery "Anne of Green Gables"2008/07/08

英語版『赤毛のアン』は無事読み終わりました。(といっても、先々週ぐらいで終わっていたのですが)
『赤毛のアン』の出版百周年だそうで、そんなに古い本だったんですね。
今は"The Jane Austen Book Club"を読んでいるんですが、英語に関して言えばアンの方が読みずらいですね。
古い英語だからでしょうか。
昔は子供用に書き直した物を読んだため、いろいろな出来事が印象的でしたが、大人になって読むと全然違った印象を持ちました。
意外と事件のことなどはあっさりと書かれているんです。
マリラがそのことについて話している場面では、あんたが悪いじゃないのと突っ込みたくもなることが多いですね。
ですから本の大部分は仕方なく読んでいるという感じになってしまいました。
ところが最後の方のアンがクィーン学院に行く辺りから俄然とおもしろくなりました。
あの偏屈なマリラがアンの成長していくことに誇りと同時に悲しみを覚えたり、お転婆なアンが幼年時代との別れを意識したり、マシューが死んだ後のマリラの様子、アンとギルバートの仲直りなど、心に訴える場面がいろいろとありました。
自分が若い頃に読んだ本をもう一度読みなおすと、違った所に感動したりして、おもしろいものです。

佐藤秀峰 『新ブラックジャックによろしく 4』2008/07/10

『新ブラックジャックによろしく』では、なんと赤城さんが齋藤君の腎臓移植を承諾しました。
「赤城さんが死んでしまったら 僕には医者である理由なんてない…。僕のために移植を受けてくれませんか…?」「もう一度好きだって 言ってくれたら 君の腎臓をもらってあげる・・・」
なんて、言っちゃって。
他人のそれも生きている人から臓器を移植することは、倫理委員会で承認されなければなりません。
齋藤君の元彼女の皆川さんは、赤城さんに手術の時の付き添いをさせてほしいと申し出ます。
自分も当事者になりたいと言うのです。
移植手術を行う医師近藤は昔、まだ脳死者からの移植を認められていない時代に、膵腎同時移植を行い、殺人罪で告訴されていました。
彼が今回手術する真意とは?

色々な人の気持ちが交差しています。
移植で生きられる命なら、どんな移植でも許されるのか?
難しい問題です。

ロイヤル・バレエ 「眠れる森の美女」を観る2008/07/12

昨夜、上野の文化会館で、「眠れる森の美女」を観ました。
席は三階の左側だったのですが、上の席だと舞台の奥行きが見えていいですね。
でも人の頭が邪魔です。
ピンク、薄いグリーン、薄い紫など、衣装の色づかいがきれいでした。
オーロラ姫役のアリーナ・コジョカルは首の故障のため、代役になっていましたが、バレエ初心者の私には関係ありません。
コジョカルのオーロラ姫を楽しみにしていた人が結構いたようです。

国王フロレスタン24世   クリストファー・サウンダース
お妃              エリザベス・マクゴリアン
オーロラ姫          ロベルタ・マルケス
フロリムント皇子      ヨハン・コボー
カラボス           ジェネシア・ロサート
リラの精           マリアネラ・ヌニェス

『眠れる森の美女』はペローの童話をバレエにしたもので、内容は言うまでもないとは思いますが、一応簡単に書いておきます。
子どもを欲しがっていた国王夫妻のところにやっと子ども(オーロラ姫)が生まれます。
誕生を祝う命名式で、招待された妖精たちが祝福していました。
そこへ招待されず怒った悪の精カラボスがやってきて、姫は糸紡ぎの針に指を刺されて死ぬと予言します。
しかし、その後にリラの精は、姫は死なずに深い眠りにつくだけで、百年の後に王子口づけによって覚まされると約束します。
16歳の誕生日、老婆に化けたカラボスが糸巻きを手にしてあらわれ、物珍しそうに見ていた姫は指に針を刺してしまいます。
リラの精はすべての人に眠りの魔法をかけ、人々は長い眠りにつきます。
100年後、リラの精に導かれた王子がやってきて、彼の接吻で姫は目覚め、壮麗な結婚式が開かれます。

「シルヴィア」で主役だったマリアネラ・ヌニェスがリラの精でした。
役によって雰囲気が変わりますね。
印象に残ったのが、フロリナ王女と青い鳥で、青い鳥が日本人の佐々木陽平、フロリナ王女はサラ・ラムでした。
日本人の活躍はうれしいものです。
踊りに関しては素人なので、どうこう言えませんが、オーロラ姫がつま先で立っているというポジションをキープすることが多く、身体がぐらぐらしないのはすごいなと思いました。
顔が私的には好み(お姫様の)ではないのが残念でした。
実は踊ることのない王様と王妃様の二人の姿の方が好きですわ、笑。
三幕のオーロラ姫の踊りがよくコンクールで踊られていますね。
ローザンヌとプロの違いがよくわかりました。
長靴を履いた猫と白い猫や赤ずきんちゃんは何で出てくるの?とかいろいろとつっこみたいことはありますが、そこはバレエ。
楽しければいいということで。

来週は2つも舞台を観ます。楽しみ♪

時実新子 『悪女の玉手箱』2008/07/14

時実新子さんは川柳作家です。
1987年『有夫恋(ゆうふれん)』で有名になりました。
『有夫恋』とはその名の通り、夫のある身で恋した女の性愛を描いた句集です。
50代の女が恋をするなどということを、若かった私は思いもしなかったことです。
彼女の人生を知るにつれ、それも仕方のないものであったと思い至りました。

1929年生まれの彼女は、17歳の時に顔も知らない相手と結婚させられます。
結婚の翌年には子供が生まれますが、夫は暴力をふるう人でした。
唯一姑はいい人で、手先が器用で、彼女に家事を教えくれました。
その代わりに新子さんは字がきれいで、文も上手かったので、手紙を書いてあげたりしたそうです。

嫁ぎ来て十年恋はまだ知らず
人の世に許されざるは美しき
子を寝かせやっと私の私なり
妻をころしてゆらりゆらりと訪ね来よ

私たちの時代は恋愛は自由で、好きな人と結婚ができる時代です。
しかし、彼女の青春時代は親の決めた人と一緒になるということが一般的な時代でした。
たいていの人は諦め、それなりの人生を送ったことでしょう。
50代は彼女にとって、失った青春をふたたび生きるというものだったのでしょう。

『悪女の玉手箱』には、少女時代の事や再婚した夫の事などが書かれています。

まちがいだったわたくしの五十代
同情はまっぴら夫を庇い立つ
さよならのように夫の指握る

彼女は前夫が亡くなってから2年経ち、58歳で再婚します。
彼女の生きがいは夫。
そのことを何のてらいもなく彼女は言い切ります。その潔いこと。

私のボケさ加減がわかるのですが、実は週間朝日の川柳をたまに読むのが好きでした。
先週、選者が変わっているのに、やっと気づいたのです。
そして調べてみると、新子さんは昨年3月10日に亡くなっていました。
彼女は川柳をより身近にした功労者であったと思います。
彼女の生きざまのすごさは、私が書くより、彼女の書いたエッセイなどでお読みください。

溝口あゆか 『まずは「思い込み」を捨てましょう!』2008/07/16

人は「過去の心の傷」や「消化されていないネガティブな感情」により振り回されているそうです。
心の傷を癒し、解放すれば、私たちは自分が主役の人生を歩んでいけるということなのです。
例えば、「仕事を辞める」→「お金に困る」→「不幸になる」→「辞められない」という堂々巡りをしてしまいがちです。
でも仕事を辞めるとお金に困るのでしょうか?
仕事は本当にないのでしょうか?
よくよく考えてみると、世間一般に言われているからそう思っているということがあります。
私たちは起こるかもしれない未来のことを考えて、不幸になっています。
起こるかも知れない未来のことは一体誰が言っているのでしょうか?
よくよく考えてみると、私たちの親や教師、上司、先輩などが言っているから、それを鵜呑みにしているということはありませんか?
ハートは何を望んでいるのか?そのことを知ってはいても、無意識の中に押し込んでいるような気がします。
だから心が苦しいのかもしれません。
自分が主役の人生を生きるためには、ハートの命じるままにやってみるというのが大事なのでしょう。
そうはわかっていてもね…。
そう思う私がまだいます。
まだまだ自分を解放できませんわ。
私と同じように、知ってはいるけれど止められないという人、握手しましょう。

劇団四季 「南十字星」を観る2008/07/19

木曜日の夜にミュージカル『南十字星』を観ました。
ちょうど上演200回の日でした。
前の作品より、より個人的な意味合いの強い作品です。
歴史に翻弄される主人公の悲しみが涙を誘うのですが、今回は戦争という悲劇に巻き込まれてはいても、その生き方に感情移入ができませんでした。

<キャスト>
保科勲    阿久津陽一郎
リナ・ニングラット   樋口麻美

保科勲は京大で法科を学んでいました。
彼はリナというインドネシアから兄と共に留学していた女性と、互いに思いを寄せていました。
太平洋戦争の最中に、インドネシアでオランダ軍による民族独立運動の粛清が激化したため、活動家の父を助けるために、リナ兄弟はインドネシアに帰っていきます。
その後、保科は姉の夫の原田とともに南方へと出征していくことになります。
オランダ軍に囚われていたリナの兄、ニングラットを救出時に傷をおい、傷の手当てをするためにニングラット邸に運ばれ、リナと再会します。

日本軍はオランダからインドネシアを奪い、穏和な軍政を布きますが、戦況が悪化するにしたがい、現地住民に食料供出や労役を強制するようになり、支配者がオランダから日本に替わっただけになっていきます。

一方、捕虜収容所では、食料不足や虐待が行われており、オランダ人捕虜たちの怒りがつのっていました。
保科は捕虜達に誠心誠意を尽くすのですが、些細な誤解が誤解を生み、捕虜達に恨みをかってしまいます。

やがて日本が敗戦。
インドネシア独立義勇軍の志士が保科達の所に来て、オランダ軍との戦いに勝つためには武器が必要なので、日本軍の武器を譲ってくれと言ってきます。
義兄原田は、終戦協定を破り、義勇軍に武器を渡すようにと言います。
原田はインドネシア独立のために、一肌脱ぎたいと言い出し、連合軍から呼び出しが来たときには保科が代わりに出頭してくれと言い置き、行ってしまいます。
保科はBC級戦犯として裁かれることになります。
罪は捕虜虐待と終戦協定違反でした。

処刑当日、監獄に忍び込んだリナと保科は会い、歴史の流れに身を捧げることが自分の運命だと告げ、未来の若者達に日本の明日を託し、十三階段を昇っていきます。
BC級戦犯として処刑されたのは934名だとのことです。

インドネシアの舞踏やガムランが随所に取り入れられています。
今までよりも踊りの場面が長いので、四季の方がS席でなくてもいいと言っていた訳がわかりました。
二階席から舞台を見ると、舞踏がよく見えていいようです。

納得のいかないのが、保科の義兄原田の行動です。
義勇軍に参加すると言った時など、そんなにインドネシア独立に思い入れがあったのかと思いました。
私はセリフをよく聞いていなかったのかと心配になったのですが、どう思い返しても、原田がインドネシア独立に思い入れがあったような場面がないように思うのですが。
自分が生き残るための方便だったのでしょうか?
すごいと思ったのが、空襲の様子がリアルだったことです。

戦争を知らない世代に是非とも見てもらいたい作品です。
昭和の歴史三部作は三作すべてを観ることをお勧めします。

「オールスター・ガラ」 アメリカン・バレエ・シアター2008/07/20

2008年7月18日(金)

《ラ・バヤデール》 第1幕のパ・ダクシオン
ミシェル・ワイルズ
デイヴィッド・ホールバーグ
《眠れる森の美女》  第3幕のパ・ド・ドゥ
イリーナ・ドヴォロヴェンコ
マキシム・ベロセルコフスキー
《メリー・ウィドウ》 第3幕のパ・ド・ドゥ
ジュリー・ケント
ホセ・マヌエル・カレーニョ
《シナトラ組曲》
ルチアーナ・パリス
マルセロ・ゴメス
《海賊第2幕のパ・ド・ドゥ
シオラマ・レイエス
ホセ・マヌエル・カレーニョ
《瀕死の白鳥》
ニーナ・アナニアシヴィリ
《ラビット・アンド・ローグ》
ローグ:イーサン・スティーフェル
ラッビット:エルマン・コルネホ

オールスター・ガラというだけのことはあり、美男・美女の美形の宝庫でした。
パンフレットの写真もよくとれています。
元ロシアのダンサーとキューバ、アルゼンチンなどの南米人が多いバレエ団です。
南米の人は体が柔らかく身体能力が高そうですよね。
A席だったので、前から3番目。前の人の頭で、右側がまったく見えず。
特に前に座った女性が、黒いノースリーブのドレスに真っ赤なブラをつけていて(関係ないか)、髪が普通の人の2倍。
首の悪い人間には、最悪のパターン。
髪をふんわりと膨らましている人は、是非とも髪を束ねてください。お願いします。

今回特に気にいったのが、「メリー・ウィドウ」です。大人の愛を描いた、ロマンチックなワルツです。
一時、時間を忘れました。
「シナトラ組曲」はシナトラの歌をバックに、都会の男女の愛のやり取りを、洒落たダンスでつづっています。
「海賊」では、回る回る。目が回んないの?と聞きたくなるぐらい、回る回る。気持ちのいいぐらいです。
「瀕死の白鳥」では、たった4分間でしたが、テクニックのすごさを感じました。
手の表情がさすがです。
最後の日本初演の「ラビット・アンド・ローク」は、音楽と踊りが切れ目なく続き、ついつい見ていると心地よく、眠気を誘われました、笑。
アメリカン・バレエ・シアターは古典よりモダンの方が得意そうです。

来週の「白鳥の湖」の券が残っていたので、買ってしまいました。
「海賊」の方がいいかしらとも思ったのですが、両方は買えません。
だって、次から次へと、いろんなバレエ団が来るんですもの。
とりあえず、見られるものは見て、お気に入りのバレエ団を決めようと思います。