R.D. ウィングフィールド 『フロスト気質(かたぎ)』2008/08/14

フロスト警部というと、「浮浪者のような風体の爺むさい男」で、いつもタバコを吸っていて、セクハラまがいで卑猥な冗談を言う男です。
そんなフロスト警部は、休暇中に、マレット警視のタバコをくすねに警察署に来たばかりに、複数の事件に巻き込まれてしまいます。
1つ目は、ハロウィーンの夜、ゴミの山から見つかった少年の死体。
2つ目は、15歳の少女の誘拐。
3つ目が、謎の腐乱死体。
4つ目が、母子4人の殺害。
5つ目が、少年の誘拐・・・。
デントン警察署も目が回るような忙しさです。
事件だけで手一杯なのに、フロストの天敵でご都合主義のマレットは、変な鼻がきくらしく、いつもフロストがへまをしたときに限って現れるし、手が足りないからと、前にデントン警察署で働いていた、いけ好かないジム・キャシディが警部代行としてやって来るし・・・。
周りもフロストの下品さになれたようです。
勘で動くフロストに振り回されてかわいそうですが。
子どもが犯罪に巻き込まれることを、心底嫌っているフロストの優しさが、好印象。
事件が解決できれば、後は誰の手柄になろうが関係ないというフロストの心意気がいいです。

フロスト・シリーズの作者、R・D・ウィングフィールドがもう亡くなっているので、後2作で終わるそうです。
フロストが良い味を出しているので、ちょっと残念です。