佐藤正午 『鳩の撃退法』 ― 2019/06/15

私間違っていました。
直木賞を取ったのは『月の満ち欠け』で、この本では山田風太郎賞でした。
おかしいと思ったのよね。
直木賞を取ったこともある作家の津田伸一は、東京からはるばると、ある小さな町にやってきて、女のアパートに転がり込み、「女優倶楽部」というデリヘルの送迎ドライバーをして糊口をしのいでいた。
本を書いていたので、本を読むのは好きで、古書店の老店主とも親しくしていた。
ある日、その店主が亡くなったという知らせがあり、彼に形見として鞄が残される。
その鞄は彼が店主に売ったものだったが、その鞄の中には絵本と彼が読んでいた途中のピーターパンの本、そして三千枚を超える一万円札が入っていた。
喜んだのもつかの間、そのお金から抜き出して床屋で使用した一万円札が偽札であることが判明し、デリヘルの社長から警察以外に”あのひと”が偽札の出所を探っていると聞かされる。
”あのひと”は一年前の家族三人の失踪事件や郵便配達、デリヘル嬢の蒸発など街で起こる様々な騒ぎに関係しているという。
手に入った三千万円はすべて偽札なのか。
老店主はどこからこの大金を手にいれたのか。
何故、”あのひと”は偽札を追うのか。
疑問は沢山湧いてくる。
津田はこのことを小説に書きながら真実を突き止めようとする。
佐藤さんの小説ですから、主人公はぐーたらこーたらと色々と考えまくる上下二巻で、途中で嫌になる人もいるかもしれませんね。
でも、これが佐藤正午の醍醐味(?)ですから、最後まで付き合ってあげて下さい。
<今日のわんこ>
昨夜、笑ってしまった兄犬の行動です。
最近はクレートのハウスに入って寝ていたのですが。

アララ、自分で潰した寝床の中に入って寝ています。
どうやって潰れた屋根を復帰させたのかしら?
窮屈ではないのかな?
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