重松清 『きみの友だち』2006/02/28

雨の日、傘に友達が入ってきたため、濡れてしまい、他の人の傘に入ろうと駆け出した時に交通事故に遭い、松葉杖がなければ歩けなくなったきみ(恵美)とその友だちの話。
自分の怪我をともだちのせいにしていたら、今まで人気者だったきみは、友だちからハブられてしまった。
運動会で縄跳びの縄を回す役になり、一緒に縄を回すことになった、体の弱い由香といつのまにか仲良くなる。
この2人はいつも一緒。
他の子達からは離れていても、二人でいるといつも楽しそう。
そんなふたりだけれど、別れの時がくる。
でもいつもそばにいるのが友だちではない。

友だちからいつハブになるかと気にしながら、くらしている少女。
自分以上にできる奴がいることがわかり、嫉妬心と戦う少年。
どこにでもいる、そういう子達がこの本の中にはいる。
一人でいるのは暗いとか言うけれど、でもみんなでいるのがいいことなのか?
ひとりぼっちもあるけれど、みんなぼっちもある。

友人関係に悩んでいる若い人や、子供の時のノスタルジーに浸りたい人にはおもしろい本でしょう。