横山秀夫 『出口のない海』 ― 2006/07/23
『クライマーズ・ハイ』や『半落ち』などを書いた横山秀夫の作品です。
彼は警察官が主人公の推理小説で有名ですが、今回は『クライマーズ・ハイ』の系統に通じる社会派(?)小説です。
この本を買ったのは、甲子園球児の話だと聞いたからですが、浅はかでした。
主人公が元甲子園の優勝投手だというだけで、真面目な戦争の話でした。
第二次世界大戦の真っ最中、並木浩二は大学野球部に所属してはいるが、肘の故障のため球を投げられず、リハビリに励む毎日でした。
もう一度グラウンドで投げるために、もはや直球では勝負ができないので、魔球をなげようと日々研究していた頃、日米開戦後の戦況の悪化のため、大学生も招集されることになります。
並木は海軍に行き、極秘作戦に志願し、「回天」という人間魚雷に乗ることになります。
自分の死期が迫っていても、並木は魔球への思いを捨てきれず、人知れず毎夜、球を投げ続けていました。
貧しい農村で育ち、走ることでそこから抜け出そうとしたのに、戦争のために、オリンピックに出られず、無為な日々を送っている北。
ご飯を腹一杯食べられるから野球をやりだし、並木のキャッチャーをしている剛原。
喘息のために好きな野球をやれず、野球部の世話係をし、いつか野球映画を撮りたいと思っている小畑など、いろいろな人たちが並木のまわりにいます。
特攻隊の話はよく聞いたことがありますが、この人間魚雷「回天」の話はあまり語られてはいないのではないでしょうか。(もしくは、私が知らないだけ・・・?)
よく見えない海底の中を、敵の潜水艇の側まで行き、爆発するという、今から考えると、そんなことで相手にどれほどのダメージを与えることになるのかと、疑問しか湧いてこないようなことしかできなかった日本。
戦時中だったから仕方がなかったのでしょうか?
一人の命を無駄にしても、他の命を助けられることになるのなら、それでいいという考えは、一見正当であるように見えますが、うさんくさいような気がします。
アメリカに行ったとき、戦争のメモリアルスタジアムを訪れたことがあります。
戦死者のプレートと共に、絵が飾ってあり、そこに「freedom」のために死んだ、と書いてありました。
日本は「お国」のためでしたね。
どちらがいいとは言えませんが、両国共に何かのためというプロパガンダを使い、人の心を操作していたのです。
戦争について語り継がれてきてはいても、私たちはそこから何かを学んでいるでしょうか?
人間は同じ間違いを犯さずにはいられない生き物なのでしょうか?
どんな時にも「ノー」と言える強さを欲しいと思います。
彼は警察官が主人公の推理小説で有名ですが、今回は『クライマーズ・ハイ』の系統に通じる社会派(?)小説です。
この本を買ったのは、甲子園球児の話だと聞いたからですが、浅はかでした。
主人公が元甲子園の優勝投手だというだけで、真面目な戦争の話でした。
第二次世界大戦の真っ最中、並木浩二は大学野球部に所属してはいるが、肘の故障のため球を投げられず、リハビリに励む毎日でした。
もう一度グラウンドで投げるために、もはや直球では勝負ができないので、魔球をなげようと日々研究していた頃、日米開戦後の戦況の悪化のため、大学生も招集されることになります。
並木は海軍に行き、極秘作戦に志願し、「回天」という人間魚雷に乗ることになります。
自分の死期が迫っていても、並木は魔球への思いを捨てきれず、人知れず毎夜、球を投げ続けていました。
貧しい農村で育ち、走ることでそこから抜け出そうとしたのに、戦争のために、オリンピックに出られず、無為な日々を送っている北。
ご飯を腹一杯食べられるから野球をやりだし、並木のキャッチャーをしている剛原。
喘息のために好きな野球をやれず、野球部の世話係をし、いつか野球映画を撮りたいと思っている小畑など、いろいろな人たちが並木のまわりにいます。
特攻隊の話はよく聞いたことがありますが、この人間魚雷「回天」の話はあまり語られてはいないのではないでしょうか。(もしくは、私が知らないだけ・・・?)
よく見えない海底の中を、敵の潜水艇の側まで行き、爆発するという、今から考えると、そんなことで相手にどれほどのダメージを与えることになるのかと、疑問しか湧いてこないようなことしかできなかった日本。
戦時中だったから仕方がなかったのでしょうか?
一人の命を無駄にしても、他の命を助けられることになるのなら、それでいいという考えは、一見正当であるように見えますが、うさんくさいような気がします。
アメリカに行ったとき、戦争のメモリアルスタジアムを訪れたことがあります。
戦死者のプレートと共に、絵が飾ってあり、そこに「freedom」のために死んだ、と書いてありました。
日本は「お国」のためでしたね。
どちらがいいとは言えませんが、両国共に何かのためというプロパガンダを使い、人の心を操作していたのです。
戦争について語り継がれてきてはいても、私たちはそこから何かを学んでいるでしょうか?
人間は同じ間違いを犯さずにはいられない生き物なのでしょうか?
どんな時にも「ノー」と言える強さを欲しいと思います。
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