グレッグ・アイルズ 『天使は振り返る』2010/08/24

元検事で今は作家をしているベン・ケージのシリーズ、第二弾らしいです。というのも、よくわからず買って読んでいると、前にどうしたこうしたと書いてあるからわかったのです。裏表紙に書いてある『沈黙のゲーム』が最初だったようです。
でも、私のように知らずに読んでも大丈夫な内容です。


五年前、妻を亡くしたベンは幼い娘と共に故郷の南部の町ナチェズに戻りました。帰ってすぐに殺人事件(『沈黙のゲーム』参照)に巻き込まれます。この時、幼馴染で命の恩人である内科医ドルーが助けになってくれました。

ある日、女子高生が川で死体になって見つかります。その子はケイトと言い、学業優秀で美人、卒業してからハーヴァードに行くことになっていました。
ベンとドルーは母校セント・スティーヴンズ校の理事をしていました。
ケイトの死を知らされたのは二人が理事会に出席している時でした。
理事会は閉会になり、帰ろうとするとドルーがベンに話があると言います。
ベンを弁護士として雇いたいというのです。
話を聞いてみると、ドルーはベビーシッターに来ていたケイトを愛しており、彼女と新しい生活をするために、マサチューセッツ州医事局の資格試験に合格し、成績もトップの5パーセントに入っており、ケンブリッジで二人で暮らす家の手付金を払っていると言うのです。
親子ほど年の離れた女の子と男女の関係があった上に、その子がレイプされ殺されたかもしれないのです。ドルーに不利な証拠が見つかり、彼はケイト殺しの容疑者として逮捕されてしまいます。
ベンは独自の調査を開始します。しかし、もっと最悪のことが起こります。ドルーの事件が政治的な利害に関わってきたのです。

ドルーのために一流の刑事事件弁護士が必要であると考えたベンは、彼のために黒人で優秀な女性弁護士を探します。
医師である父が勧めたのは、公民権運動の伝説的人物クエンティン・エイヴリーでした。
エイヴリーはドルーの事件を引き受けてくれ、ベンはエイヴリーの主任捜査員になります。
ケイトのことを調べていくと、高校生の驚くべき実態が明らかになっていきます。
ベンの娘アニーのベビーシッターである高校生のミアも事件解決に協力してくれ、ベンは核心へ向かっていきます。
 
アメリカで起こったことは何年か後に日本で起こると言われていますが、高校生の奔放なセックスやドラッグ使用など、日本でも起こるのでしょうか。
芸能人のドラッグ汚染について報道されています。芸能人だから特別だと思いたいのですが、どうなんでしょう。
高校生と関係を持ってしまうドルーに最後の方でベンは好意的になってしまいますが、なんか男性のスケベ心がちょっと嫌ですね。
ベンの彼女の33歳のケイトリンより高校生のミアの方が大人に思えてきます。男性の理想がケイトやミアでしょうかね。
そういうところに目をつぶると、結構おもしろいミステリです。