真保裕一 『ローカル線で行こう!』2013/06/14



お仕事本です。
鉄道を扱った、こういう本って結構あるんですね。
前にも似たようなものを読んだ覚えがあります。
題名を忘れてしまいましたが、東京に鉄道を引くとか、この本と同じ赤字ローカル線の話とか。

県庁から赤字ローカル線、第三セクターもりはら鉄道に出向した哲夫は、一応副社長になりますが、まがりなりにも出世街道を歩いていたと自認していた彼にとって、出向はその道を外されたということにもなります。
回りの目も冷たく、針のむしろにいるようなものでした。
そこに、元カリスマ・アテンダントの篠宮亜佐美が、町長で鉄道の代表取締役会長である五木田の引きで社長に就任します。
(アテンダントとは、新幹線でワゴン等による車内販売をしている人です)
若い女が社長。
客寄せパンダかと思いきや、このパンダ、結構キレます。
だてにカリスマと呼ばれているわけではありません。
いつしか彼女の二十四時間仕事という姿勢と、次々と出てくるアイデアに振り回されつつも、もりはら鉄道再生という仕事に一丸となる社員一同です。
ところが、好事魔多し。
うまく行っている時に事故が起こります。
これはいったい・・・。

まあ、これといって新鮮味のない話ですが、それなりにおもしろく読めます。
どんな仕事にも、広い視野が必要なようです。
どうしても仕事をしていると、自分のしていることしか見えなくて視野が狭くなってしまいますものね。
気をつけようと思いました。

エイヴリー・エイムズ 『消えたカマンベールの秘密』2013/06/14

早く仕事から帰ったので、犬を連れてお散歩をしました。
通りがかりの女子高生たちが口々に「かわいい」、「超かわいい」、「小さい」などと言って通り過ぎました。
しかし、「すげぇ、速い」という声が聞こえ、ガックリ。
家の犬、ゆっくり歩けないのです。
家に着くころには舌を出してハアハアいっています。
ホント、今に熱中症になっちゃうよ。
気をつけなきゃ。


チーズ専門店シリーズの三作目。

チーズ&ワイン専門店店主のシャーロットは冬祭りに出店するために大忙しです。
そんな時に元婚約者のチップが現れます。
彼にシャーロットは手痛く振られてしまい、それが今でも心の傷になっているというのに、チップは寄りを戻す気でいます。
彼は<クライズデール・エンタープライズ>のケイトリンと組んでプロヴィデンス町で養蜂場をやり、一年経ったらレストランを開業するというのです。
チーズ店の従業員のレベッカの彼氏は養蜂業をやっているイポで、彼の仕事がどうなるのかレベッカは気が気ではありません。
レベッカとイポが公園でデートをしている時、ケイトリンがレベッカの家で殺されていました。
容疑者としてイポが疑われます。
シャーロットはレベッカから頼まれてしぶしぶ事件を捜査することにしますが・・・。

チーズって結構好きです。
この本で美味しそうと思ったのが、サンドイッチ。
こういうお店が職場の側にあれば、ランチを買いに行くのにと思います。

彼氏と上手くいきそうなシャーロットですが、上手くいっちゃったらシリーズも終わりになってしまいますから、どうやって二人の仲の邪魔をするのかしら。
そんなことを大きな声では言えませんが、楽しみにして次を待ちますわ。

加納朋子 『魔法飛行』&『スペース』2013/06/15

ノミ・ダニ駆除の薬をもらいに獣医さんに行ってきました。
本当は先月行った方がよかったのですが、なかなか行く暇がなくて、遅くなってしまいました。
家のフランシスは「内弁慶の外味噌」で、家では大暴れなのに獣医さんではビビッて震えています。
ポトッと液を垂らしてもらうだけなのに、嫌がって動いてしまいます。
薬のつけ方を教えてもらいました。
首、頭、尻尾の付け根ぐらいのところに分けて、毛は立てたままでポトっと一滴ずつ垂らしていくのがいいそうです。
昨年行っていた獣医さんは背中の所に垂らすようにと言ったので、一滴ずつゆっくり垂らさずにつけたら、背中が赤くなって痛そうでした。
正しい薬のつけ方を教えて欲しかったですわ。

いつのまにか体重が増えていて、2・72㎏になっていました。


『ななつのこ』の続編です。
題名を見ると、SFかと思うかもしれませんが、日常にひそむ謎を解くという話で、手紙が重要な役割をしています。


駒子があの方に「近況報告のように綴る物語」です。
大学祭が出てきて、懐かしく思いました。
私は大学祭では、二年で秋田出身の人がいたので「きりたんぽ鍋」を、三年では「焼き鳥」を販売しました。
「焼き鳥」の時は近所の居酒屋に行って、タレの作り方を教えてもらい、タレを作りました。醤油と味醂が半々だそうで、その通り作ると結構評判がよかったです。
この時に一緒に日本酒を売ったのですが、大学祭で酒販売はよかったのでしょうか?今になって心配になりました、笑。

駒子のクラブは何をやったのかは本を読んでのお楽しみに。


『スペース』とは「宇宙」というよりも「空間」とか「居場所」のことです。
人は自分の居場所を求めてさまよう。

「人にはそれぞれ<あるべき場所>っていうのがあるのよね。正しい居場所。自分が最も幸福になれる場所。もし<間違った場所>に居続けなければならないとしたら・・・それは間違いなく悲劇だわ」

また、駒子があの方に謎かけをします。

本の中に素敵な言葉がありました。

「喜んで食べてくれる誰かのために作られた料理の匂いは、千の言葉よりも多くのイメージを伝えてくれます。生きるためのエネルギーそのものの香り…と言ったら大袈裟でしょうか」

食べることは生きること。
どんなものを作り、何を食べるかが生き方にも現れるのでしょうね。
ちゃんと料理しなくては…。

「生きていればきっと、逃げ出すよりほかに道がないときだってある。遮二無二突進していって、その結果無惨に激突するよりは、回れ右して逃げ出す方がずっといい。(略)少しぐらい、後戻りしたっていい。やり直したっていい。まったく別な、新たな文字を打ち込むことだってできる。そう思っていた方が、人生どんなにラクだろう」

私も逃げ出すことには賛成ですが、逃げる前にどこまで踏ん張ったかが大事なように思います。
でも、大事なのは、心がダメになる前に逃げましょう。
生きていれば、いいことがある。
何をしても生きて行ける。
どこかにきっと居場所があるはずだから。

駒子とあの方の仲がなかなか発展しませんね。
続編に期待しましょう。

茶の間で駆けずり回る2013/06/16

今日は床をきれいにして、リビングでフランシスを離してみました。
喜んで駆けずり回り、色々な部屋に入っていきます。


舌を出している率が大きいです。それだけ興奮して嬉しいんでしょうね。



床がすべるので、ずっとリビングにはいさせられませんが、たまにはいいかも。


絵の前でポーズをさせてみました。


おやつを見せないと、ジッとしてくれないので、あまりいい写真が撮れないので残念です。


モデル犬への道は遠い・・・。

上橋菜穂子 『炎路を行く者』 守り人作品集2013/06/17

守り人シリーズの番外編というべき作品集が出ました。



「炎の路」では『蒼路の旅人』でチャグムをさらったタルシュの鷹アラユタン・ヒュウゴが主人公です。
彼はヨゴ皇国軍の<帝の盾>の息子でしたが、ヨゴ皇国はダルシュ軍に滅ぼされ、ヒョウゴの家族は殺されてしまいました。
機転をきかせて逃げた彼だけが助かったのです。
リュアンという女性に助けられ、その後、マール酒場で働き、いつしかならずものの頭となっていました。
しかし、ドラム王国出身でタルシュ軍にいるオウル=ザンと知り合ったことで、ヒョウゴの運命は変わって行きます。

「十五の我には」はバルサが十五歳の時に話です。
このころから用心棒として働いていたことがわかります。
彼女のような女の子は滅多にいないでしょう。
そういう風にしか生きられなかったバルサが愛しいです。

原田マハ 『楽園のカンヴァス』2013/06/19



西洋絵画ファン必見の本です。
テーマになっているのは、アンリ・ルソーの『夢』(1910年)という絵です。
表紙の絵を大きくすると・・・。


ルソーらしい不思議な雰囲気を持つ絵です。

大原美術館で監視員をしている織絵は、MOMAのチーフ・キュレーターであるティム・ブラウンから指名されて、ルソーの絵の貸出交渉のためにNYへ出向くことになります。
彼女は若い頃にルソーの世界最高の研究者と言われていたのです。
何故、彼女は研究の世界から身を引いて、監視員となったのか。
ルソーの『夢』が関わっていました。

一枚の絵から広がる物語が美しいと思いました。
原田さんは色々な美術館に勤めたことのある方なのですね。
彼女にしか描けない物語だと思います。

髙田郁 『残月』2013/06/23

この頃、色々とあり忙しいので、簡単に書くことにします。


吉原の大火で、助っ人料理人・又次が亡くなり、吉原で太夫となっていた澪の幼馴染、野江の行方もわからず、暗い雰囲気の「つる家」。
そこに又次に命を助けられた摂津屋が現れ・・・。

ご寮(りょん)さんの幸せが垣間見え、澪がどのようにあさひ太夫(野江)を身請けするお金を用意していくのか、なんとなくわかってきました。
後半に来て、ちょっとパワーダウンかな。
終わりは是非ともハッピーエンドで。



動物病院でフィラリアの薬をもらうために血液検査をしました。
肝機能の数値が高く、中性脂肪が多いということがわかりました。
「まだ若いから、すぐにどうこうありせんが、歳をとったら脂肪肝とかになりますから注意してください」と言われてしまいました。

おやつが問題みたいです。
サツマイモの干したものとか、添加物のないおやつをあげているのに、何故肝臓の数値が悪いのでしょう?
中性脂肪が多いということは、量が多いのかもしれませんね。
明日からのお留守番でキュウリとかの野菜をあげることにしますわ。

ママと同様に犬までデブになってはいけませんねぇ。

原田マハ 『ジヴェルニーの食卓』2013/06/26



”読む美術館”の第二弾。短編集です。
kindle版があったので、買ってみました。
紙の本にはない、絵の写真がついてきました。でも、kindleって白黒なのよね。意味ないじゃん。
仕方ないので、iPhoneで絵を見ました。
私は『楽園のカンヴァス』よりも、こちらの本の方が好きです。

「うつくしい墓」
晩年のマティスに使えた女性のお話。
絵は『マグノリアのある静物』。
マティスが亡くなった後のことを読みながら涙が浮かんできました。
マティスが設計したヴァンスのロザリオ礼拝堂に行ってみたいです。


「エトワール」
ドガの「14歳の小さな踊り子」からインスピレーションをもらったお話。
この頃の貧しい少女たちのけなげさをドガはどう思っていたのでしょうね。

「タンギー爺さん」
ゴッホの話だと思って読み始めましたら違いました。
画材屋のタンギー氏は貧しい画家たちに、つけで画材を渡していたのですね。
セザンヌにタンギー氏の娘が出した手紙からセザンヌが画家として認められていく様子がわかります。
絵は「りんごとナプキン」。

「ジヴェルニーの食卓」
これはモネのことだと、すぐにわかりますね。
晩年、白内障を患いながらも睡蓮を描いていたモネ。
モネは二回結婚していて、初めの妻、カミーユの死にゆく様子を絵に残しています。
実はこの頃、モネは後に二番目の妻になる人と彼女の子供たちと一緒に暮らしていたのです。
もしかしたらモネの心はカミーユから離れていたのでは。
だからこそ、冷静にカミーユの姿を描けたのではないでしょうか。

高村薫 『冷血』2013/06/28



『冷血』といえば、アメリカ文学が好きな人はトルーマン・カポーティの小説を思い出すでしょう。
カポーティの本は読んでいませんが、関係があるのかどうかと思っていたら、文藝春秋webに高村さんのインタビューが載っていました。
やはりカポーティの本が頭にあったようです。
カポーティは、カンザスで起こった実際の家族四人の殺人事件を五年間かけて取材し、執筆しました。
この高村さんの『冷血』は2002年の東京を舞台にしています。

携帯電話の求人サイトで知り合った男二人がATMを襲撃し、コンビニ強盗をし、最後に歯科医一家四人を惨殺する。
何故彼らは犯罪を犯してしまったのか。
彼ら二人と会い、手紙をやり取りするようになった刑事合田は、彼らの心の闇に迫ろうとするが…。

はっきり言って、読むのが辛い本でした。
内容が頭に入ってこないのです。
犯罪を犯す二人が、全く身近に感じられません。
世の中で起こる犯罪が、ひょっとしたら彼らのような人たちによりなされているのでしょうか?
何故犯罪が起こるのか。
人の心の奥ははっきりしないもので、こうだからという断定的なものはありえないのでしょうね。

熱海に行ってきました。2013/06/30

久しぶりの温泉です。
前に熱海に行った時は、海沿いのホテルに泊まりました。
その時、温泉のお湯が肌に合わなかったので、どうなのかと心配していました。
しかし、よくよく泉質を見てみると、弱アルカリ性と書いてあります。
調べてみると、海沿いは塩化物泉なのだとか。
塩が私の肌によくなかったのかしら?


今回の宿は露天風呂付きです。
ちょっと部屋が狭くて暗い感じです。


露天風呂から海が見えました。

お料理は個室でゆっくりと食べられました。
前菜は三島トマト蜜煮土佐酢ゼリー寄席。器の硝子が涼しげです。


豆腐のように見えますが、実はクリームとチーズで出来ています。
ねっとりとした口当たりです。


蒸し物はあっさりとポン酢でいただきます。


ヒレステーキは柔らかくて美味しいです。


デザートに青梅の蜜煮。


梅だけ食べます。周りの氷も食べられればいいのにね。その時は梅のシロップをかけてほしいです。

温泉には2回入って寝ました。
山の上の温泉だったせいか、全く肌には異常がありませんでした。
前は体調がよくなかったのかもしれませんね。

次の日の朝のご飯は、アジの開きと九品のおかず、茶わん蒸しでした。
茶わん蒸しは餡がかかっていましたが、あっさりした普通の茶わん蒸しの方がいいような気がしました。


宿の途中に神社があったので、寄ることにしました。
来宮神社という名前で、樹齢2000年以上の大楠が有名のようです。




年月を感じさせるたたずまいの木です。

犬をあずけているので、急いで帰って迎えにいきました。
怒っているのか、ずいぶん暴れています。
困ったもんです。