加納朋子 『七人の敵がいる』2013/07/14




いつもほんわかした心が温かくなる小説を書く加納さんですが、今回の本はまったく違った話で、びっくりしました。
作家ですから、書こうと思えばどんな本でも書けるんですね。

テーマは簡単に言うと子供が小学校に入学した、仕事を持つ母親の奮闘記。
子供を持つ親の大変さは頭では理解していたつもりですが、想像以上でした。
PTA、学童保育所父母会、自治会役員などなど、色々とやらなければならないことがあります。
子供を人質にとられているようだということを言っている人がいますが、本当にそういう感じですね。
色々と忙しいのはお互い様ですが、だからといって何もやらなければ対立も起こります。
私なんかは人づきあいが下手ですから、今以上にストレスが貯まってしまい、精神的におかしくなってしまうかもと思いました。

これからお子さんが小学校に入学する方や現在PTAなどの人間関係に悩んでいる方が読むと、そうそうと同調したいところも多いし、今後の参考になると思います。
少子化の進む現在、昔に比べると子供にまつわる親の負担が増えているのかもしれませんね。
子供を持つ人のために、なんらかの手助けができるようになればいいのですが。
高齢者の方々の力を借りることも必要でしょうね。
子供は社会で育てる時代ですね。