ローナ・バレット 『本の町の殺人』2013/09/07



アメリカに本当にあるのかどうかわかりませんが、本屋ばかりが店を出す町があるといいですね。
日本で言うと、神田の古書街みたいなもんですかね。
神田は怖い書店主が奥に座っている感じで、私なんかゆっくり本を選べません。
なんか聞くと、そんなことも知らないのか、みたいな感じで馬鹿にされそうです。
その点、この本の中の「読書家の聖地ストーナム」の書店なんかは、誰でも気軽に足を踏み入れられます。
古書から専門書までを扱う、どんな本屋もあるんですから。
店は趣のある建物で、中の装飾はそれぞれの店主が考えています。
例えば、料理専門書店では、馬蹄型のアイランドキッチンに包丁立て、小さなシンクとガスコンロ、ビルトイン冷蔵庫、手元が見えるように頭上に大きな長方形の鏡・・・。
書店で料理できるようになっているのです。
イベントとして、料理専門家を呼んで、自分のクッキングブックの宣伝のために料理をしてもらったりもできますね。
毎週、料理教室を開いてもよさそう。

主人公のトリシアはミステリ専門書店<ハブント・ゴット・ア・クルー>を経営しています。
飼い猫の名はミス・マープル。
本が座って読めるようにヌックに椅子を置いて、無料のコーヒーとクッキーが食べられるようになっています。
こんなミステリ書店なら安心して入れそう。

さて、事件は・・・。
トリシアの店の隣にある料理本専門書店<クッカリー>で店主のドリスが殺されているのが見つかります。
何故か保安官のウィンディはトリシアを容疑者と考えているようです。
あまり仲のよくない姉が町にやってきて色々と大変なのに、自分の容疑を晴らすためにトリシアは事件を調べるために町を駆けずり回ります。

あとがきをみると、イギリスに「古書の聖地」として知られている場所があるんですね。
ウェールズ地方のヘイ・オン・ワイという小さな町なのだそうです。
町のHPを見ると、緑豊かなかわいらしい町です。
今度イギリスに行くことがあったら寄ってみたい町です。