似鳥鶏 『目を見て話せない』2020/01/19



自称”コミュ障(コミュニケーション障害)”の藤村京は千葉の房総大学に入学しましたが、初めの自己紹介の時から友達作りに失敗。
みんなが連絡先を交換しているのに、誰とも話せず、寝てしまいます。
起きた時には教室には誰もいなくて、傘がポツンと置き去りになっていました。
ここで面白いのが、藤村君はわざわざ誰が置き忘れたのか推理を始めるのです。
普通の人なら「ア、傘の忘れ物かぁ。そのうち取りにくるだろう」と思って、そのままにしておくのにね。
もっと優しい人なら事務室にでも持っていくよね。
そういう場で色々と考えてしまうのが”コミュ障”なのか?
実は彼が”コミュ障”になったのには理由があったのです。
小学校での出来事と言っておきましょう。
彼の推理は当たっており、このことから色々な人と知り合いになっていき、様々な謎を解き明かしていくこととなります。

お話が5話ありますが、1話の妄想場面が読みずらかった。
でも、しばらく我慢して(飛ばして)読んでいると途中から慣れますので安心して読み進んで下さい。
自称”コミュ障”とか言う人は多かれ少なかれ自尊心が高く、ネガティブ思考で被害妄想気味かもしれませんね。
結局、誰もが”コミュ障”的なものを持っているんじゃないの、というのが結論です。(別に結論はいらないけど)

似鳥さんのあとがきがいつも面白いです。
私からのお願いは、この本の続きは書かなくていいから、動物園シリーズ、よろしく(笑)。