木宮条太郎 『水族館ガール7』2020/08/17



前巻でイルカのルンが出産をしました。
水族館では出産後も気を抜かず、「緊迫の三日、警戒の七日、魔の十日」といい、この間は赤ちゃんを二十四時間ウオッチをするようです。

そろそろ十日が過ぎようという時に、ルンが病気になってしまいます。
そのためルンと赤ちゃんは別々のプールに入れられ、離ればなれになってしまいます。
由香は人工のイルカミルクを与える係になりますが、結構大変です。
自分たちでイルカミルクを作らなければならないし、授乳の間隔が短く、気を抜く暇はありません。
ルンに赤ちゃんを託されたと思った由香は、赤ちゃんのために不眠不休で頑張ろうとしますが、チーフに諭されます。
由香の仕事はイルカ担当として全体を統轄すること、感情に溺れず、冷静かつ客観的に周りを見ろと。

離されたルンと赤ちゃんんは淋しそうです。
なんとかして2匹を対面させるために、由香はあることを思いつきます。

今回も色々と学ばせてもらいました。
私が知らないだけかもしれませんけど、イルカは共同哺育をすることがあり、保母イルカって珍しくないこと。
イルカも人も、母性は自動的にできあがるものではなく、時間をかけて、作り上げていくものだということ。
赤潮や漂流ゴミのことなど、他にもありますが、とにかく生き物に関わると色々なことが見えてくるのですね。

由香と梶も幸せになりそうです。
こういう本だから恋愛模様も描かなければならないのかもしれませんが、私にしたらどうでもよくて、かわいいイルカたちと会えればいいわ。
ニッコリーには心配させられましたけど。
表紙に惑わされず、読んでみると面白いシリーズです。
次回、イルカビーチがどうなるのか、早く読みたいです。