C・A・ラーマー 『マーダー・ミステリ・ブッククラブ』2022/08/23



題名の通り、ミステリ好き、特にクリスティ好きが集まった読書会メンバーが活躍するオーストラリアのコージー・ミステリです。

雑誌編集者のアリシア・フィンリーは、間違ったブッククラブに入ってしまい、四回目に止めました。
愚痴っていると、妹のウエイトレスでシェフの卵のリネットに、アリシアの好きな本に限定したブッククラブを作ってみてはと勧めらます。
その気になったアリシアは地元紙の告知欄に募集広告を載せました。
そうすると、応募者が16人も。
その中から選ばれたのが、ヴィンテージの古着ショップのオーナー、クレア・ハーグリーヴスと毒薬に詳しい医師のアンダース・ブライト、自称”平凡な中年の主婦”のバーバラ・パーラー、博物館の学芸員でゲイのペリー・ゴードンの四人。
そして五人目は、アリシアが図書館でスカウトした図書館員のミッシー・コーナーです。
次の日曜日にアフタヌーンティーをしながらクラブの運営について相談することにします。

会合では、一回目の読書会がバーバラの自宅で行われ、課題書がクレアの選書の『白昼の悪魔』ということが決まりました。
バーバラのことがなんとなく気にかかるアリシア。

バーバラの家は豪邸でしたが、娘のホリーは礼儀を知らない悪ガキだし、夫のアーサーも同様に妻を小馬鹿にする、横柄な男でした。
ミッシーが左腕に怪我をしているので、どうしたのか聞くと、ランチを食べに出かけたら、車が歩道に乗り上げてきて、吹っ飛ばされ、手首を捻挫したそうです。
怪しい無言電話がかかってきたりしましたが、一回目の読書会はなんとか順調にいきました。

二回目の読書会は二週間後にドクター・アンダースの自宅で開催されました。
課題書はバーバラが選んだ、ポアロがはじめて登場する『スタイルズ荘の怪事件』。
アリシアはバーバラがどんなふうに本を解釈したのか興味津々でした。
ところが当日、バーバラは現れません。
家に電話しても、アーサーはバーバラがどこにいるのか知らないようです。
読書会後、もう一度電話をしてみますが、応答した娘のホリーもバーバラの行き先に心当たりはないようです。
リネットとアリシアはバーバラを探すことにし、マーダー・ミステリ・ブッククラブのメンバーも協力することになります。

警察が見つけたバーバラの車の中には『青列車の謎』が残されていました。
バーバラの行方は一向にわからず、とうとう殺人事件が起ってしまいます…。
ブッククラブの面々はここぞとばかりに捜査に乗り出します。

この人が怪しいとか思って読んでいると、まるっきり違いました。
とにかくクリスティに関することがヒントになります。
わかってしまうと、なるほどと思えますが、ちょっとひねりがないですね。

この本はシリーズになっていて、後三冊刊行されているようです。
なかなか個性的なメンバーなので、これからが楽しみです。
私はポアロ・シリーズを読んでいないので、テレビドラマになっていそうなので、そちらを見ようかしら。

紅茶とお菓子を用意して、読んでみるといいかも。