ヘニング・マンケル 『手 / ヴァランダーの世界』2023/01/25

この本が刑事ヴァランダー・シリーズの最後の本です。
最後ではありますが、あとがきによると「手」は2004年にオランダのブックフェアのために、ミステリ小説を買った客に書き下ろしの本を一冊プレゼントするという企画で書かれた作品だそうです。
時代は2002年10月、ヴァランダーは五十歳前半で、『霜の降りる前に』の後のお話です。


「手」
日曜日に家で休んでいるヴァランダーにマーティンソンから電話が来る。
田舎に住んで犬を飼いたいと思って物件を探しているヴァランダーに見せたい家があるという。彼の妻の親戚の家だ。
早速ヴァランダーは見に行く。
周辺の静かな様子が気にいったヴァランダーは買うことにする。
しかし家の裏庭で足先になにか当たったのが気になる。
見に行くと、それは地面からにょきっと出ている人間の手の骨だった。

地面の下には骸骨と衣服が埋まっていた。
手の主は誰なのか、死因はなにか…。
ヴァランダーはとりあえず家の持ち主を過去まで遡って調べてみることにする。

せっかく気にいった家が見つかったのに、横槍が入ってしまったヴァランダーです。
誰でも庭に死体が埋めてあった家には住みたくないですから仕方ないですね。

若手だったマーティンソンの頭のてっぺんが薄くなったなんて書いてありますw。
そういえば彼は仕事中でも妻と電話を掛け合って話しているわね。何を話しているのかしら?
ヴァランダーが自分の結婚生活が破綻したのは電話を掛け合わなかったからかと自問していますが、関係ないと思いますけど、笑。

「ヴァランダーの世界」
マンケルによるシリーズの始まりのお話や十二作品の紹介、登場人物と場所の説明、人物索引、ヴァランダーの好きなもの、登場人物や本、音楽などの文化索引があります。

世界史にあまり詳しくないので、1960年代以降のヨーロッパやアフリカのことで色々とわからないことがありましたが、それなりに面白く読んでいけました。
今になってもっと、特に戦後の歴史を学んでおけばよかったと思います。
今からでも遅くないから頑張ってみますか…(たぶん)。

夫は名前が覚えられないからと外国のミステリーは苦手で読みませんが、同じように外国のミステリがあまり好きじゃない方はドラマ「刑事ヴァランダー」を見てみて下さい。
今から思い起こすと、ケネス・ブラナーは結構本の中のヴァランダーに似ていたと思います。
若い頃のヴァランダーを描いたドラマもあるそうです。
Netflixなので私は契約していないので見られませんが、見られる方は「新米刑事ヴァランダー」を見てみて下さいね。たぶん面白いでしょうw。