中山七里 『祝祭のハングマン』2023/02/02



春原瑠衣は警視庁捜査一課に勤めている。
昨日、富士見インペリアルホテルで毒物による大量殺人事件が起り、地取り捜査に駆り出される。
その時にたまたまトラックが通行人を跳ねたという事故と遭遇する。
運転手と通行人から話を訊いていくと、どうも突き飛ばされたらしく、犯人は現場から逃走していた。
被害者の藤巻亮二は瑠衣の父が勤めているヤマジ建設の資材課に勤務していた。
その日家に帰ると、父は藤巻のことを知っておりしつこく訊いてきて、個人的に便宜を図ってくれとまで言い出す。
瑠衣はそんな父に違和感を感じる。

数日後、瑠衣が属する宍戸班は藤巻の事件を担当することになる。
しかし犯人特定に繋がる情報はなかなか得られない。

そしてさらにヤマジ建設の経理課長・須貝謙治が駅構内で転落死する。
瑠衣は葬儀で案山子を想像させる男が気になったが、彼は私立探偵の鳥海明彦と言い、須貝の友人だと言う。

瑠衣は何かを知っていると思われる父と話しをしようとするが、話をする前に父は作業中の事故で亡くなってしまう。
瑠衣はヤマジ建設関連の事件から外され、焦燥感に苛まれる。

そんな瑠衣の前に地検特捜部の神川が現れる…。

なかなか犯人が特定されず、その上、題名の「ハングマン」は事件とどう関係するのかがずっとわからず、途中でちょっと中だるみし、動きがあるのは最後でした。
書き方によってはもっとワクワクするように出来たでしょうに。
瑠衣よりも鳥海たちのことを書いた方が絶対に面白かったと思います。
キャラ的に瑠衣は面白くないですもの。これからの彼女の行く末が気にはなりますが。
シリーズになるのかしら?

中山さんの本に期待しているので、辛口になってます(ゴメン)。