畠中恵 『おやごころ』2023/08/04



神田町名主の跡取り息子、高橋麻之助が主人公のまんまことシリーズの最新刊。
前妻のお寿ずの死から立ち直り、お和歌と祝言をあげた麻之助ですが、忙しくて目が回りそうです。
いつの間にか支配町が四町も増えていて、何故自分が関わらなければならないのか、わけのわからない仕事が次から次へとやって来るのです。

「たのまれごと」
奉行所勤めの友、相馬吉五郎がやってきて、ある旗本の嫡男が悪行に走り、家が潰れると、当主が悩んでいるので、相馬家は忙しいので麻之助に手を貸してほしいという。
引き受けた麻之助だが、出かけようとすると、妻のお和歌に福松屋の袋物を買ってきて欲しいと頼まれる。お和歌が欲しいんじゃなくて、お和歌の友のお駒が欲しいんだとか。
吉五郎の頼みだけでも大変なのに、なんでお駒の頼みまで引き受けなければならないのかと思う麻之助だった。

「こころのこり」
父の宗右衛門にまとめて三件の相談事を押っつけられた麻之助。
三件ともに大店で上方に店主がいるので、やって来たのは店を率いている三人の大番頭たち。
三人が言うことには、大事な物を失ったというのだ。
とりあえず困り事は何か聞く麻之助。

「よめごりょう」
妻お和歌の父、西森町名主の金吾が従兄弟の息子、太助とともに高橋家にやって来る。
太助はお和歌が勝手に嫁入りしたことが、気にくわないという。
お和歌との縁談はなかったのに、何故?

「麻之助走る」
お和歌に子ができた。麻之助は前妻のお寿ずのことがあるから、心配でたまらなく、走って心配を散らそうとしていた。
そんな麻之助のところに、町名主の友、八木清十郎がやって来る。
玄関に持ち込まれる揉め事が奇妙に減っている町名主がいるのが気になるというのだ。
そういえば麻之助も走っている時に、何か引っかかった事があったことを思い出すが、何かはっきりしない。
この二つは関係があるのか?

「終わったこと」
風邪を引き、寝込んでいる麻之助のところに吉五郎が女二人を伴い、見舞いにやって来る。
女は吉五郎の元許婚、一葉と八丁堀与力川野家の息女、美衣で、美衣は破談の後、元許婚の八丁堀内与力、鳥井虎五朗につきまとわれているという。
虎五朗はつきまといなどしていないと言っているが、美衣は虎五朗が彼女につきまとっているのではないかと疑っている。
吉五郎は八丁堀は忙しいので、麻之助につきまといの件に答えを出し、終わらせてくれと頼む。
町人なのに、何故、自分に頼むのかと思う麻之助だったが、断り切れずに引き受けてしまう。

「おやごころ」
めでたく麻之助は親となる。
そんな頃、麻之助は何もしていないのに、彼が二件の親子の揉め事を見事に解決したという噂が出回る。
その噂を聞いた町年寄の樽屋から麻之助は日本橋の縫箔屋羽奈屋の親子の厄介な揉め事を押しつけられる。

無事に親となった麻之助ですが、頼りなさげなので、鍛えるつもりなのか、次々と厄介事を押しつけられます。
麻之助は困りつつも、友の助けもあり、何とか解決していきます。
昔のぐうたら息子のような感じが好きだったのですが、ちょっと雰囲気が変わってきていますね。
今回はあまりお話に集中出来ませんでした。
シリーズで続いていくのはいいのですが、止め時もありますよね。
ちょっとこのシリーズに飽きてきたのかな…。


<今日のわんこ>
ママがパソコンを使っていると、兄はいつもママの膝で寝ています。


眠くて目がくっつきそう。


おやすみなさい…。