リン・メッシーナ 『公爵さま、いい質問です』2023/08/08

「行き遅れ令嬢の事件簿」シリーズの第二弾。
第一弾は『公爵さまが、あやしいです』でしたが、第二弾は私の予想とは違い、『公爵さま、いい質問です』という題名でした。


ベアトリス・ハイドクレアはこの前の侯爵家のハウスパーティで起きた殺人事件で被害者の娘から話を聞き出そうと悲劇の恋の作り話をしたのだが、その話がみんなの知れるところとなってしまった。
そのため居候をしている叔父夫婦たちが、行き遅れのベアトリスを結婚相手と考える男性がいたのだから、まだ結婚の可能性があると思ってしまい、どう言う男か確かめるために、その男性を見つけ出そうとする。
どうしようもなくなったベアトリスは名案を思いつく。
新聞にその架空の男性の死亡広告を載せればいいのだ。

新聞社に行き、死亡広告の掲載を頼んだベアトリスは出口で一人の男性と出くわす。なんと彼は彼女の足元に倒れ込み、彼の背中から短剣の柄が突き出ていた。
殺人事件の目撃者として新聞に載るなんてとんでもない。
そう思ったベアトリスはその場からそっと離れ、こっそり家に戻った。

それだけで終わらないのがベアトリス。というのも彼女は大英博物館で背中に刺さった短剣を見た覚えがあったのだ。
翌日、メイドを丸め込み、博物館に行ったベアトリスは、ケスグレイブ公爵ダミアン・マトロックと再会する。
新聞の広告を読んだ公爵はベアトリスの嘘を見抜き、家に彼女を訪れていったところ、メイドと家を抜け出すベアトリスを見かけ、跡をつけてきたというのだ。

ベアトリスだけではなく、公爵までもが殺人事件の謎解きに参戦することになる。

19世紀初頭を舞台にしたコージーミステリー(Regency Cozy Historical Murder   Mystery)ですから、ガッツリとした推理小説とは違い、あくまでも推理は二の次で、ベアトリスと公爵の恋愛が主となります。
公爵は爵位の最上位ですから、ベアトリスとは身分が違います。
この身分違いの関係がどうなっていくのかが楽しみです。
日本では来年の2月に3巻目が、アメリカでは今年の11月に11巻目が発売されるようです。