高瀬乃一 『往来絵巻 貸本屋おせん』 ― 2025/06/20
一作目の『貸本屋おせん』に続く二作目。

「第一話 らくがき落首」
地本問屋の南場屋の南喜がお縄になったと聞き、おせんは大急ぎで南場屋に駆けつける。小田切さまの落首(時事や人物を風刺した匿名の狂歌や狂句)を立てた科だという。
おせんは複数の貸本の中に落首らしき落書きを見つけ…。
「第二話 往来絵巻」
おおよそ一年をかけた大作、『文化六年巳年神田祭佐柄木町御雇祭絵巻』が完成した。しかし、子供狂言に従う底抜け屋台の囃子方は『十人』なのに絵には『九人』しか描かれていない。怒った町名主の佐柄木与左衛門は絵師に直接会い、描き直してもらいたい。それでなければ絵巻の代金を払うことはできないと言う。
たまたまその場にいたおせんは画工に引き合わしてもらうことを引き換えに、十人の囃子方が行列に繰り出していたかどうか確かめることになる。
「第三話 まさかの身投げ」
鈴屋の旦那が燕ノ舎に一枚絵を依頼し前金四両を手渡した。しかし、燕ノ舎は年明けに参和の訃報に気落ちし、絵が描けず、四両を返して絵の依頼を断った。
ところが鈴屋は一度人様に差し出した金を受け取るなんて、江戸っ子の名が廃るって金を突き返した。それからが大変で、おせんが燕ノ舎に頼まれ突き返された金を鈴屋まで持って行ったことから、鈴屋にまで頼まれることになり、おせんは燕ノ舎と鈴屋の間を行き来する始末。金は二十両にまでなっていた。
そんな頃、薬種問屋信濃屋の旦那ともめ、鑑札の差し止めを受けていた船宿奥川の吾平が芸者と川に身投げをし、重罪人として処罰された。
運航再開の申し立てをしようとするが、芸者と身投げしたことを理由に受け付けてもらえず、このままでは奥川は廃業だ。
実は芸者は信濃屋の情婦だったという。本当に吾平は芸者と身投げしたのだろうか。おせんは一肌脱ぐことにする。
「第四話 みつぞろえ」
植木屋の職人の信吉は女房と子どもがいるが、行きつけの飲み屋「まるふく」で貸本屋梅鉢屋のおせんと飲むのが楽しくてならない。このままおせんと・・・と思ったりもしている。
そんな時にセドリの隈八十という男に『艶道東国聴聞集 巻之人』を持っているはずなので、譲ってくれと言われる。まったく覚えがない信吉だが・・・。
「第五話 道楽本屋」
南場屋六根堂の主人の喜一郎は新春の目玉の読本が売り出しできずに困っていた。
『類板』の疑いありで、差し止めをくらったのだ。行事に訴えたのが、弁天堂というおせんも知らない本屋だ。気になったおせんは弁天堂のことを周りに訊いてみると・・・。
私はおせんと「貸しもの屋お庸」シリーズのお庸がゴチャマゼになっていました。
まったく違うキャラクターでした。
おせんの方が最初から落ち着いた頭のいい女性です。
絵師の燕ノ舎が亡くなってしまうのですが、一作目が三年ぐらい前なので内容を忘れてしまいました。おせんとどういう関係なのかしら?
おせんのお父さんが亡くなった時か貸本が燃えてしまった時に、おせんを助けた人なのかもしれないですね。
江戸の出版業界のことがわかるお話です。
次回の謎がどんなものか、期待して待ちましょう。
できればあまり時間を置かないで下さい。
私、忘れてしまいますwww。
最近のコメント