相場英雄 『ナンバー』、『リバース』&『トラップ』 ― 2015/06/01

警視庁捜査一課は殺人などの凶悪事件を担当するので、警察官になったら誰でもあこがれるそうですが、このシリーズで扱うのは捜査二課。
何をする課かというと、横領や詐欺と言った知能犯の捜査です。
西澤警部補は所轄署から二課に配属になりました。
独特の雰囲気になじめなさを感じつつも、同僚や上司に恵まれ(たのかな)、失敗を重ねつつも二課で一人前に成長していきます。
そういう駆け出しの西澤を描いたのが、『ナンバー』。
『リバース』では大震災と原発事故にかかわる詐欺を暴いていきます。
『トラップ』では同期に出世の差をつけられてしまった西澤がどう巻き返しを図るか。
知らなかった二課。
面白く読めました。
一課と二課とか、課が違うと連携なんか絶対しないようですね。
したとしても、どちらが挙げるか競うんです。
事件の捜査って勝ち負けではないでしょ、と言いたいです。
足の引っ張り合いがえげつなく思えます。
「行確(行動確認)」って言葉、恐ろしいですよ。
悪いことは絶対にやろうとは思いませんけどね。

犬たちはフィラリアの薬をもらいに行ってきました。
待合室で弟はブルブル震えていました。
歯が抜けないので、麻酔をして抜くことになりそうです。
1歳になったらもう一度見てもらい、歯を抜くかどうか決めることになりました。
兄は散歩のふりをして獣医に連れて行ったので、外で待っていた犬たちを見て吠えてしまいました。
そのため、飼い主さんたちに冷たい目で見られてしまいました。
弟が来てから他の犬に対して吠える率が上がったような気がします。
多頭飼いって難しいですね。
相場英雄 『震える牛』 ― 2015/06/02

BSE問題と食品偽造を扱った作品で、評判になったんじゃなかったかしら?
警視庁捜査一課の継続捜査班に属する刑事、田川信一は未解決の中野駅前居酒屋強盗殺人事件の捜査を命じられます。
この事件では獣医師と産業廃業を営む男の二人が殺されていました。
一見何の関係もなさそうな二人のことを再度調べていくと、意外なところで結びついていき、二人は狙われたことがわかってきます。
真相に近づく田川ですが、政治的・経済的圧力が・・・。
スーパーや小売店で売っているお惣菜を、信用して買って食べていますが、実はその中身がとんでもないものだったなどということがわかったら・・・。
そういうことは考えたくないですが、あってもおかしくないことですね。
できるだけ自分で料理するといいとはわかっていても、揚げ物なんかは買ってしまいます。
あまり安いものは危ないと思った方がよさそう。
高くても、前にあったホテルの食品偽装なんかがあるから、どうしたらいいんでしょうね。
この本を読むと、スーパーの安い惣菜を買えなくなります。
最後まで読むと、なんか釈然としない感が残ります。
こういう終わり方をする事件って、知らされていないだけで結構あったりしてね。
「100のモノが語る世界の歴史 大英博物館展」@東京都美術館 ― 2015/06/04

大英博物館には2度ほど行っているはずですが、今回展示されている物を見たのかどうか、まったく記憶がありません。
唯一覚えているのが、よくもこんなにミイラや仏像、神殿などを大量に盗んできたなと思ったというだけですから(笑)。
人間の収集癖にはきりがないのでしょうかね。
今回の展示品は博物館館長ニール・マクレガーが各部門から厳選した100作品だそうです。
「アフリカで作られた最初期の石器から、現代のクレジットカードに至るまで、さまざまな時代と地域のモノが人類200万年の「歴史の断片」を語りかける」そうです。
わたしなんかが好きなのは、「アウグストゥスの胸像」とか

「ミトラスの神像」。

「ガンダーラの仏像」

ナイジェリアの「イフェの頭像」なんかはすばらしいです。

それぞれに顔立ちが美しいです。
どういうところにあったのか、気になります。

デューラーの「犀」は実物を見ないで描いたそうです。
画家の想像力は流石です。
一番印象に残ったのが、現代のモノです。

95番目に展示されている「アフガニスタンの戦争柄絨毯」。
伝統的な絨毯の柄に兵士や銃、ヘリコプター・・・。
悲しいですね。

97番の「銃器で作られた「母」像」(2011年 モザンビーク)。
20年近く内戦の続いたモザンビークには終戦後、いたるところに武器が放置されていたそうです。
その銃を使って、こういうモノが、平和のシンボルとして作られたのです。
そういえば今話題のサッカーのユニフォームのコピー商品も展示されていました。
イングランド・プレミアリーグ、チェルシーのティディエ・ドログバのコピーで、チェルシーのオーナーはロシア人、スポンサーは韓国企業、選手はコートジヴォアール、製造はインドネシアで販売はペルー。
サッカーは世界をまたにかけていますが、汚職も世界的ですね。
現代のモノは、はたして美しいといえるのか。
これから未来へ残されるモノは何か。
争いの歴史のモノばかりだとは思いたくないです。
おもちゃ箱の中を覗くような楽しさのある展覧会でした。
森晶麿 『黒猫の約束あるいは遡行未来』 ― 2015/06/05

「黒猫」シリーズの第四弾。
黒猫はフランス、そして付き人は日本。
すれ違う二人ですが・・・。
フランスにいる黒猫はラテスト教授の依頼で、「遡行する塔」の謎を解くためにイタリアへ行くことになります。
同行するのが、イタリア語が話せるからと、黒猫に密かな思いを寄せているラテスト教授の孫娘のマチルド。
前半の彼女の独りよがりな独白にちょっとイラっときました(ごめん)。
一方、日本にいる付き人はイギリスの学会に出席します。
そこで何故か映画に出演することになり、急遽イタリアへ行くことになります。
二人はイタリアで予期せぬ再会をすることになります。
付き人さんは自分で気づかないだけで、とても美しい人のようです。
黒猫も彼女のことが好きなのに・・・。
今時珍しい二人の関係です。
美学よりもラブロマンスを求めてしまいます。
それにしても、黒猫のスウィーツ愛にはびっくりです。
私もパフェが食べたくなりました(笑)。
みつはし ちかこ 『小さな恋のものがたり』第43集 ― 2015/06/06

kindleでセールになっていたので、本当に久しぶりに読んでみました。
私がこの本に出会ったのが高校生の時ですから、昔の友達に再開したという感じです。
なんと1962年から、近頃、みつはしさんの病気で一時休載されていたそうですが、ずっと52年も続いていたそうです。
50年以上も経っているにもかかわらず、チッチはチッチのままでサリーを思い続けていました。
永遠に年のとらないサザエさんよりも衝撃的です。
今の子供たちにこの本を読ませたら、あざ笑うかもしれませんねぇ。
でもね、この本を読んで、改めて片思いっていいなぁと、おばさんになった私は思うのです。
もしかしたら、もう『小さな恋のものがたり』には出会えないかもしれませんが、チッチとサリーが両想いになるのを願う気持ちはこれからも続いていきます。
相場英雄 『血の轍』 ― 2015/06/07

犯人を追うというのは刑事物では必須のことですが、そこに公安が絡むととんでもないことになります。
刑事と公安。
カイシャ以外の者にとっては、同じカイシャだから協力するでしょと思っていたのですが、違うんですねェ。
公安は国や警察組織を護るためには何だってしちゃうんです。
例え身内であっても、刑事の行確をするし、仕事の邪魔をするし、自分たちの邪魔をする者は即排除する。
国や組織を護るためには真実を隠ぺいすることさえ躊躇しない。
公安にとって個は屁みたいなもんです。
公園で元刑事でデパートに勤めていた男が死んでいた。
一見、自殺に見えるのだが、不自然なところが・・・。
調べてみると、彼は死の直前にメモリーカードを知人に送っていた。
捜査一課の刑事、兎沢はそのメモリーカードを手に入れようとするが、彼より先にカードを手に入れようとしている公安がいた。
兎沢は公安部に娘を殺されたという恨みがあった。
公安には兎沢を一人前の刑事になるよう導いてくれた先輩である志水がいたが、彼は兎沢の娘の件に関わっていた。
どう幕引きをするのかと楽しみに思いながら読んでいましたが、結末は・・・。
やっぱりそうなりますかね。
すかっとした刑事物が読みたくなりました(笑)。
今野敏 『自覚』&『宰領』 ― 2015/06/08

隠蔽捜査シリーズの最新刊です。
大森署管内で大物国会議員が失踪したという相談がきました。
公にせず調べていると、彼が乗っていた車が見つかり、その中で運転手が殺されていました。
そして、犯人と名乗る男から脅迫電話が・・・。
大森警察署長の竜崎伸也は、神奈川県警との合同捜査の指揮をとることになります。
犬猿の仲の警視庁と神奈川県警。
その間で竜崎はどう動くのでしょうか。
警察は軍隊と同じ縦社会だそうで、横との連携をとることが苦手のようです(というかとる気ないよね)。
私の中で上司として一押しの竜崎が、警視庁や神奈川県警のメンツを気にせず、グイグイいくのが頼もしいです。

これは隠蔽捜査シリーズの番外編です。
どこがちがうのかというと、竜崎が主人公のは1とか2とかの数字ですが、番外編には小数点以下 .5がついているのです。
.5のついているものは竜崎の身近にいる人が主人公の短編です。
この中で竜崎は理想の上司として君臨しています。
彼のすごいところはぶれないこと。
どんなことがあろうと、絶対に迷わない。
迷っていたとしても、それを周りに悟られない。
彼の中の優先順位は絶対的なもので、どんな圧力があろうが、たとえそのことにより懲戒処分されようが、信念は曲げない。
そういうところがいいんです。
いつまでも負けない竜崎のままでいて欲しいです。
そういう竜崎を読むことで安心できるんです。

ネズミ捕りをするというヨークシャテリアの歩き方とか走り方を見ると、ただの愛玩犬の兄と大きく違います。
こういう風に頭を落として歩いたり走ったりします。
ヨーキーは一応狩猟犬みたいなものなんで、獲物を狙うような恰好になるんですね。

兄よりも言うことはききますが、甘えん坊なのがちょっと困ります。
日中、ハウスの外に出てジッと私を見ています。
たまに彼を抱いてやっていると、すかさず兄がハウスから出てきて甘え鳴きを始めます。
甘え上手の弟に乗じて兄は「僕も」と言っているんです。

いつのまにか二匹とも同じような大きさになってしまいました。
弟は兄よりも小さな犬を飼おうと思ってヨーキーにしたのに・・・。
ロザムンド・ラプトン 『さようなら、そして永遠に』 ― 2015/06/10

『シスター』を書いた作家の二作目です。
学校の火事で逃げ遅れた娘を助けに行ったグレースは、頭をうち、植物人間となってしまいます。
娘は大やけどをして、心臓の移植が必要になり、生命の危機に陥っていました。
気づくと二人は幽体離脱をしており、お見舞いに来た様々な人たちの間を行き交いながら、火事が放火で、自分たちが何故このようなことになったのかを知っていきます。
『シスター』と同じような雰囲気の作品で、主人公のグレーズのモノローグで話は進んでいき、最後に驚かされます(たぶん・・・)。
『シスター』もこの作品も、根底にあるのは家族愛です。
主人公が幽体離脱という設定が嫌でなければ、『シスター』同様に面白く読み進められる作品です。
雨の日は大嫌い ― 2015/06/12
我が家の犬たちは雨が嫌いです。
というのも、いつもはお散歩と庭で駆け回ることができるのに、雨の日はママが外に出してくれないからです。
その代わりに家の中のジュータンが敷いてあるところで遊びます。

弟は耳が大きいので耳の動きがおもしろいです。

兄は外で遊べないからか、頭をジュータンにこすり付けて、ストレス発散しています(?)。

呼んでもそっぽを向きます。

ママが呼ぶと、おやつをもらえるのかと思って弟は座り、兄は伏せをします。
弟はジュータンの上で何回もおしっこ(マーキング?)をしたので、マナーベルトをつけさせられています。

この頃、煮干しをおやつにやっています。
弟はご飯のトッピングに煮干しがないと不満そうです。

持ってこい遊びをすると、弟に負けるので兄はやらなくなりました。

しつこく寄ってくる弟に兄は怒っています。
噛みついているように見えますが、甘噛みのようで、痛くないようです。

今日、兄は三歳になりました。
『アガサ・レーズンの幻の新婚旅行』―英国ちいさな村の謎6 ― 2015/06/14
アガサ・レーズン・シリーズの6作目。

『アガサ・レーズンの結婚式』では、結婚式に行方不明だった夫が現れたため、隣人の退役軍人のジェームズと結婚できなくなってしまったアガサでした。
夫は殺されたので、結婚してもよくなったにもかかわらず、ジェームズはアガサに何も言わずに、ハネムーンで行くはずだったキプロス島に行ってしまいます。
バリバリのキャリアウーマンだったアガサなのに、恋愛に関しては昔堅気で、弱気です。
どう考えてもジェームズなんか不誠実で、アガサの友人たちが言うようにアガサにはふさわしくない相手なのに、アガサは諦めきれません。
なんと、ジェームズを追ってキプロスまで行ってしまいます。
狭い島だからと、ジェームズの居場所を探し歩き、見つけて会いにいくのですが、案の定、ジェームズは冷たい態度を取ります。
そんな折に、クルージングで知り合った女性が殺され、しばらくは島から出ることができなくなります。
アガサは殺人事件を解決しようとするのですが、今まではいい相棒になっていたジェームズとはうまくいかないようです。
そこに現れたのが、前の事件で知り合ったサー・チャールズ。
彼とアガサは…。
アガサは色々と若い頃のことを思い出し、昔に戻れたらと思っています。
私はあまり彼女のように思いません。
太ってしまったけれど、好きな物を食べて、好きなことができる自然体がいいような気がしているからです。
これではもっとおばさん化が進んでしまいますかね。
気をつけますわ。
ゴージャスな若い妻がいるのに、アガサを口説こうとしたバートに、何故自分のようなものに声をかけたのかとアガサは問います。
バートは「そんなに卑下しないでほしいな、アガサ。あなたはすばらしい脚をしているではないか」と答えます。
そうか、アガサは脚がきれいなのか。
さて、一人になり、村に帰ってきたアガサはどうなるのでしょうか。
ジェームズは去り、サー・チャールズがアガサといいコンビになるといいですね。
<今日のわんこ>
我が家のわんこたちは雨の上がった庭で大暴れ。
一緒に遊ばせようとすると、兄が遠慮するので、今日は別々に相手をしました。
そうすると、兄は弟の臭いがついているおもちゃを嫌がります。
弟は平気なのに。

ボールをくわえようとしている兄のかわいいお尻です。

弟はいつものおもちゃを咥えて楽しんでいます。
最近のコメント