タナ・フレンチ 『悪意の森』2009/10/05

久しぶりに本の話題です。何を読んだのか思い出せなくなっているので、昨日読み終わったミステリーについて書きます。

20年前、ダブリン郊外のノックナリーの森で三人の少女と少年がいなくなり、たった一人、少年だけが見つかりました。
その少年は事件の後、名前を変え、イングランドの寄宿学校に行き、アイルランドの警察学校で学び、今は故郷付近に戻り、殺人課の刑事になっています。
彼の名はアダム・ロバート・ライアン。
彼の女性の相棒が麻薬取締課から来たキャシー・マドックス。
二人は息のあった相棒同士でした。

ある日、ノックナリーの遺跡発掘現場で少女の遺体が見つかります。
ライアンは友人二人がいなくなった日以来、ノックナリーには足を踏み入れていませんでした。
見つかった遺体は遺跡発掘現場のすぐ近くに住んでいるバレエが得意な少女のでした。
同じ町に殺人鬼が二人もいるはずはない。
少女の事件と友人の失踪事件には何らかの繋がりがあるのではと考えたライアン。
しかし、事件は袋小路に。
そのため、過去の記憶を求め、ライアンは森へ行きますが、記憶は戻りませんでした。
精神的打撃を受けたライアンはキャシーと関係を持ってしまい、二人の仲に亀裂が・・・。
少女の事件は解決しますが、失踪事件は依然闇の中です。

読みながら幼い日々のきらめきを思い出しました。
彼らのような仲間はいなかったけれど、少年少女の時代には独特のものがあります。
永遠に戻らない日々。人はその日々を糧に生きていけるのかもしれません。
そんなことを思わせられたミステリーでした。