レニングラード国立バレエ 「バヤデル」2010/01/09

 1月8日(金) 18時半開演 オーチャードホール

       《キャスト》
ニキヤ(バヤデルカ):イリーナ・ペレン
ソロル(戦士):ファルフ・ルジマトフ
ガムザッティ(藩主の娘):オクサーナ・シェスタコワ
大僧正:ニキータ・ドルグーシン
ドゥグマンタ(インドの藩主):アレクセイ・クズネツォフ
幻影の場 ヴァリエーション:ダリア・エリマコワ
              オリガ・ステパノワ
                                         イリーナ・コシェレワ

心配していたルジマトフは故障もなく、よかったです。

<第一幕>
大僧正は聖職者であるにもかかわらず、聖なる儀式の時に美しい踊り子ニキヤが踊るのを見て、彼女のことが気に入ってしまい、ニキヤに言い寄ります。
しかし、戦士のソロルと愛し合っているニキヤは断ります。
その夜、ニキヤとソロルがこっそりと会っているのを大僧正は見てしまいます。
彼は嫉妬にかられ、復讐を企てます。
藩主ドゥグマンタは愛娘ガムザッティの婿を国で一番勇敢な戦士ソロルに決めます。ソロルを呼び、それを告げますが、ソロルは断ります。
しかし、ガムザッティを見ると・・・心が揺れます。
結局、一介の戦士でしかないソロルは結婚を受け入れるしかありませんでした。
 
ソロルとガムザッティの婚約を聞いた大僧正は激怒し、恋敵ソロルを陥れるため、ドゥグマンタにニキヤとのことを告げ口します。
ドゥグマンタはそれでも娘との結婚を取りやめようとはしません。
その代わりにニキヤを殺すと言うのでした。
ガムザッティは父親と大僧正の話を聞いてしまいます。召使に命じて、ニキヤを連れてこさせます。

女二人の戦いが見物です。
ガムザッティはニキヤに宝石を与え、ソロルのことを諦めるようにと言いますが、ニキヤは断ります。
ナイフを振りかざし、ガムザッティに立ち向かいますが、召使に取り押さえられます。
ガムザッティはニキヤを殺すことを誓います。

<第二幕>
ガムザッティとソロルの婚約儀式が開かれました。
ニキヤは悲しみの心のままに踊ります。
踊っている時に、花篭が渡され、それがソロルからだとニキヤは思います。
しかし、その花篭の中に毒蛇が隠されていたのです。
毒蛇に噛まれ苦しむニキヤに大僧正は解毒剤を差し出し、ソロルを忘れ、自分の愛を受け入れれば与えると。
しかし、ソロルの愛を失ったと思ったニキヤは断り、解毒剤の入った瓶を投げ捨てます。

<第三幕>
ソロルは悲しみ、悔恨にさいなまれていました。
彼はアヘンを吸い、まどろんでいます。
夢の中で影の王国が現れ、ニキヤに出会います。
白いチュチュを着たバレリーナが一人、一人・・・と現れます。
一体何人がと思わず思ってしまいました。(24人?)

ソロルとガムザッティの結婚式。(亡霊になったニキヤも出席してます。)
神の怒りによって寺院が崩壊し、大僧正のみが生き残り、人々は非業の死を遂げます。

始めて見たからか、分かり易い筋だったからか、飽きることなく見られました。(「白鳥の湖」はこの頃寝てしまうのよね・・・)
「バヤデルカ」の最後は「影の王国」で終わってしまうものもあるそうです。(マリインスキー版)

ルジマトフは何回もソロル役をやっているようですが、もっと若い時に見られたらよかったかもと、ちょっと思ってしまいました。
ペレンをリフトしているのを見ると、危なっかしくて、やっとかな・・・と思えるのです。
パンフレットに、有名な男性のヴァリエーションを踊っていないと書いてありました。
どこかは初めて見た私にははっきりと言えませんが(たぶん2幕)、女性ばかり踊っているなという印象がありました。
普通は二人で踊った後に、女性、男性と別々に踊りますが、男性のがないんですね。やっぱりお年のせいですか・・・。ジャンプなども冴えなかったような。
ガラで見た黄金の奴隷ほどの色気はなかったなと思っていると、なんと7月に『シェヘラザード』を踊ってくれるそうです。またエロい黄金の奴隷が見られるかも。


ペレンはニキヤのような劇的なヒロイン役がぴったりです。
彼女の腰のくびれと腹筋はすごいです。見習いたいものですが・・・。(彼女の「スパルタクス」見たいよ~)
シェスタコワは品のいい、ちょっと尊大な王女様でした。
ニキヤも踊っているようですが、ガムザッティの方が彼女の持っている雰囲気に合っていますね。
この二人、やっぱりソリストだけあります。
群舞の人がフラフラとしていても、絶対にぶれませんから。
実力の差はあるんですね。

気に入ったのが大僧正です。まじめそうな顔をしていて、最後の老いらくの恋?
後で調べると、71歳になるバレエ・マスターでした。すばらしいですね。
アレ、日本人が何ででてくるの?この人体型的にダンサー?あ、日本のバレエ団の子供さん、バレリーナのスカートを引っ張りすぎてたような。
なんて場面もありましたが、まあ、これもご愛嬌でしょう。

カーテンコールが妙に長くて、ルジマトフの人気ってすごいんだとつくづく思いました。
プログラムによると、彼は自分は「ダンサー」というより「アクター」という部分が大きくなってきていると言っていたということですが、たとえ若い頃のように踊れなくても、舞台で十分通用する見本のような人ですね。

ガラでは「アルビノーニのアダージョ」を踊るので、楽しみにしています。
 

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