和田はつ子『料理侍』 ― 2013/03/28
この頃楽しみに待っているシリーズです。

元武士で今は料理人である季蔵の店、一膳飯屋「塩梅屋」に浪人武藤多聞がやってきます。
彼はよろず商い屋をしており、手が足りない時に雇って欲しいと言っていきます。
その頃、小舟で殺された男がおり、そこにセリが残されていました。
たまたま多聞の住む太郎兵衛長屋に行った時に、武藤の住まいにセリがあったのを見た季蔵は、武藤がこの事件と何らかの関係があるのではと考えて、北町奉行の命を受け捜査を始めます。
出てくる料理が庶民的です。
季蔵、武藤、そして三吉が「烏賊競い」をやったり、箱詰めの雛菓子を作る知恵を出し合ったり、野原に生えているつくしを天麩羅や芥子味噌和え、佃煮にしたりと、一膳飯屋ですから、安い材料を使っています。
セリやつくしなんか、野原に摘みに行くんですから。
中でも私が一番食べてみたいのは、セリとアサリの炊き込みご飯とおこわです。
セリなど、この頃食べていません。
だんだんと季節の物を自宅の食卓で食べなくなっています。
少しでも季節を食べる生活をしてみなくてはと思いました。
新しい登場人物がでてきて、マンネリ化しそうな感じでしたが、久しぶりにおもしろく読めました。
次回からも武藤さんが活躍してくれると嬉しいです。
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