長岡弘樹 『教場』&『傍聞き』2013/09/15



警察学校が舞台です。
これを読みながら、ちょっと怖くなりました。

警察官って正義の味方みたいに思っていました。
残念ながら、と言っていいのかどうかわかりませんが、いいえ、幸いなことにと言った方がいいかしら、犯罪に遭ったことがないので、警察の方と身近に接したことが(たぶん)2回ぐらいしかありません。
一回目は小さい時に、おじさんについて行ったら交番に連れて行かれ、迷子と間違えられた時。今なら誘拐されてましたね。パトカーで送ってもらいました(ラッキー♪)。
二回目は浅草の羽子板市に行った時。友人がスリに遭いそうになり、警察官がスリを捕えてくれました。
何が起こっているのかわからないうちに捕り物が始まり、スリは逮捕されていました。
この後、パトカーで警察署まで連れて行かれ、友人は調書を取られました。
残念ながら帰りはパトカーで送ってもらえませんでした(笑)。
警察署は学校の職員室みたいに雑然としており、取調べ室からは怒鳴り声が聞こえてきて、長いしたくない雰囲気でした(当たり前ですね)。

警察小説は相棒が好きなので何冊か読んだのですが、刑事とか警察官って独特の雰囲気を持っているなと思っていました。
この小説を読んで頷けました。
警察学校は「必要な人材を育てる前に、不要な人材をはじき出すための篩(ふるい)であ」り、「極限状況の中で訓練を積むことにより、厳しい公務に耐えられる心技体を身につけ」る場であるそうです。
このことはわかりますが、仲間同士で足を引っ張り合うことはないでしょう。
仲間に復讐するやり方が恐ろしいです。
作家の創造の賜物で、本当にはないですよね。
つい、そう聞いてみたくなりました。

へタレな私は99%警察官にはなれませんわ。


作家の長岡さんの作品に興味を持ったので、前に書いた作品をさがしてみました。
すべてが警察小説ではないようですが、救急救命士や消防士などの特殊な仕事についている人が主人公になっています。
本の題名の『傍聞き(かたえぎき)』とは、どうしても信じさせたい情報を別の人にしゃべって、そばにいる聞かせたい人に聞かせ、信じさせることのようです。
どのように使われているのかは読んでのお楽しみにしておいてください。

短編が4つありますが、どれも意外な結末です。
上手い作家です。
これからどんな作品を書くのか楽しみな作家です。

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