樋口有介 『少女の時間』2019/03/10



私が読んだ柚木草平シリーズの最後の本で、シリーズ十作目。
『プラスチックラブ』と『片思いレシピ』の二作はまだ読んでいません。

月刊EYESの柚木担当の直海から押しつけられ、草平は二年前の女子高生殺人事件を記事にすることになります。
殺された野川亜彩子は東南アジアからの留学生を支援する組織でボランティアをしていました。
そのボランティア団体<NPO法人ピースフル・サウス・イースト(PSE)>のあるビルに行ってみると、一階に雑貨店があり、東南アジアからの輸入品を売っているようで、そのビルはPSEの事務局長・篠原益実の姉の持ちビルでした。

草平がPSE関係を調べ始めてからすぐに殺人事件が起こります。
PSEの一階にある雑貨店のアルバイトの女の子が浴槽でおぼれて亡くなっているのが発見されたのです。
一見、事故のように見え、部屋にはマリファナがありました。
しかし、草平は事故ではなく殺人であると推測します。
彼女の死と女子高校生の死は何か関係があるのか。
草平は美女たちに翻弄されながらも真相に迫ります。

今回の草平には女難の相が出ています。
美人刑事に美人母娘、美人依頼人など、美人に振り回されてかわいそうになるぐらいです。
特に美人母は面白いですけどね。
美人たちが作ったチチャを草平が飲んだところは流石と思いました。
伊達に女好きではないです。
ちなみにチチャって「トウモロコシなどの雑穀を原料にして、唾液を利用して発酵させた酒」ですから、女性たちの唾液をもろに飲むんです。
普通の感覚では、できれば飲みたくないですよね。

恋人のキャリア警察官・冴子さんの転勤がありそうで、シリーズもどうなるのか。
ちょっと心配です。