山口恵以子 『あなたとオムライス 食堂のおばちゃん8』2020/07/17



この本を読み進んでいくうちに、前に読んだ『婚活食堂』かと思いました。
親婚活がでてきたんですもの。
そんなに親婚活は流行なのですか?
ニュースか何かで報道されていたので知っていましたが。

親婚活をするのは、常連の辰浪酒屋の康平の親です。
康平も40過ぎ。今結婚しなければ、このまま独身だということで、とうとう親が乗り出したのです。
今やお見合い話を持ってくるお見合いおばさんもいなくなったので、親婚活は最後の手段なのでしょうかね。
良さそうな人が見つかり付き合いを始めたのですが、悲しい結果に終わりました。こういうものは難しいですよね。
それよりも同じ常連の料理研究家菊川留美先生が日本酒に合うスイーツを作るので康平に日本酒について教えて欲しいと頼み、彼が色々とアドバイスをしているうちに二人は良い感じになってきました。
本をちゃんと読んでいなかっため、私、菊川先生が年配の老女だと思っていましたけど、まだまだ若い40代だったのですね。
二人は上手くいきそうです。

この本は時間が今とシンクロしているので、コロナウィルスのことをどう書いているのかと気になって読んでいったのですが、当て外れでした。
はじめ食堂にはなんの影響もないのですもの。
世の中の飲食店はみな売り上げが下がって苦労しているというのに、ありがたいことです。
食堂にアルコール消毒液を用意したり、席を間引いたり、アクリル板を用意したり・・・なんて、何にもしていないようです。
のんきなことに熱海に慰安旅行にまで行くんですよ。
まあ、そういうお話だということで、サラッと読んでいくのが正解ですかね。

お料理は今までで一番美味しそうでした。
カリフラワーのムース、焼き芋のブルーチーズ焼き、菜の花とハマグリのクリーム煮、定番の牡蠣フライ、うすいえんどうの豆ご飯・・・。
日本酒に合うスイーツも食べてみたいです。

最後がびっくりでしたが、描き方が唐突で味もなにもないですね。
言っちゃ悪いけど、書くことがない、でもとにかく二冊、本を出さなきゃと思って頑張った、そう思わせられるような内容でした。