ルネ・ナイト 『完璧な秘書はささやく』2022/12/27

ミステリーではなく、サスペンス作品です。


人里離れた<ザ・ローレルズ>に住むクリスティーン・ブッチャーは二十年近く秘書をやってきたが、今は働いていない。
やることといったら、自分の過去を回顧し、昨年の事件に関する新聞記事のスクラップだ。

クリスティーンは派遣の秘書をやっていた。
十八年前、スーパーマーケット・チェーンのアプルトン社の本社で働くことになった。
ある日の昼休み、社長の娘のマイナ・アプルトンの手助けをしたことがきっかけとなり、クリスティーンはマイナの秘書として採用された。
クリスティーンは何よりも仕事を優先させ、私生活を犠牲にしてマイナに仕えた。
マイナはそんなクリスティーンを自分に忠実な家来として自分の都合のいいように扱った。

昨年、マイナ・アプルトンは偽証と司法妨害で訴えられた。
クリスティーンも彼女の嘘を隠蔽したとして訴えられる。

裁判が続くうちに明らかになっていくマイナの嘘と偽り。
やがてクリスティーンは彼女の裏切りと有罪を確信するようになる…。

始めはクリスティーンはなんで人里離れたところに引きこもっているのだろうと不思議に思っていましたが、だんだんとその理由が明かされていきます。
マイナに騙され、陥れられ、可哀想な女性だなと思っていると、「窮鼠猫を噛む」ですね。
思い上がって、人の心を踏みにじってはいけませんね。

サスペンスはあまり好きではないのですが、この作品は面白く最後まで読めました。