大山淳子 『犬小屋アットホーム!』2022/12/28



「ニーシャシャン」はフランス語で「niche à chien」、すなわち「犬小屋」のことで、マダムが作った居場所を奪われた人の家。
入居者はマダムが選んだ人で、入居の際の唯一のルールは犬と同居し、その犬の面倒をみること。
入居費用も食堂の利用も、何もかもすべて無料で、後見人も不要だ。
その上最期の看取りまでしてくれるという。
支配人は横須賀という青年で、入居者に必要なことはすべてやってくれる。

入居者は一癖も二癖もある人たちで、例えば元ヤクザや余命わずかな人、盲目の女性、女詐欺師など居場所のない人たち…。
犬たちも入居者同様に様々な事情を抱え、過酷な人生を送ってきているマルチーズやラブラドルレトリバー、シベリアンハスキー、闘犬…。
そんな彼らにとってニーシャシャンはホームそのもの。

読んでいて印象的だった言葉があります。

「犬と人との関係って忠誠心とかではなくて、もっと自然であいまいな……絆みたいなものじゃないでしょうか」
「絆という言葉は最近なにやらすごく美しいことのような使われかたをしますけれど、正しくは人の自由を奪い束縛するもの、という意味なんです」
「語源的には犬や馬などの家畜を逃げないように木につなげておく綱を指す言葉だったそうです。木に綱できづな」

知りませんでした。「絆」という言葉が一時期よく使われていましたが、胡散臭い感じがしたのは、こういう意味があるからかもしれませんね。

こんな施設があれば、すぐにでも入りたいです。
『猫弁』を書いた大山さんですから、『猫弁』同様、人や動物に対しての目線が暖かいです。
ほのぼのとするお話ばかりではないのですが、読んだ後、心が温まるお話です。


<今日のわんこ>


兄がまっすぐ前を向いてくれました。
パパが水をあげようとしているのに、二匹共に無視です、笑。


兄にはこの服は少し大きいのですが、弟が着ている下のサイズではボタンがとまりません。胸厚なんです。

この後、いつもの場所で休憩をしたのですが、その時に兄がパパに向けておしっこをしたので、びっくりしました。
兄は滅多に外でおしっこはしません。2~3年に一回とかいう頻度です。
たまにやる時は壁に向けて足を上げるんですが、今日は壁がなかったので、パパの足に向けてやったのかしら?
年の瀬に、とんでもないことをやらかした兄犬でしたwww。