観た映画2023/09/19



「生きる LIVING」
妻が死んでから、規則正しく淡々と役所勤めをしてきたウィリアムズは、医師からがんで余命半年の命だと言われる。
翌日、彼は仕事をさぼり、港町に行き、出会った小説家と馬鹿騒ぎをするが、満たされない。
仕事を放棄し町を彷徨っていると、部下のマーガレットと偶然出会う。
ウィリアムズは、転職するので推薦書を書いて欲しいという彼女を食事に誘い、話をする。
それが思いのほか楽しかったので、彼は彼女を誘い映画や飲みに行く。
彼女の生き生きとした様子に感化されたウィリアムズは、仕事に戻り、市民から出ていた地域の公園整備の要請を最後の仕事として着手することにする。

主人公ウィリアムズがビル・ナイです。
一緒に住んでいても、心が離れている家族って悲しいですね。
マーガレットが役所のみんなに綽名をつけていて、ウィリアムズが「ゾンビ」だなんて、若い娘は残酷です。
公園を作るために一致団結して頑張るウィリアムズたちは素敵でしたが、その後、元に戻ってしまうのがなんとも言えません。いかにもお役所ですねぇ。日本と同様にイギリスの役所もそうなのかしら?
ウィリアムズがブランコに乗りながら歌を歌う場面がとても印象的でした。

日本版「生きる」はまだ観ていないので、そのうち観てみようと思います。


「マイ・ドッグ・スキップ」
1942年、夏、ミシシッピー州ヤズー。
一人っ子のウィリーはひ弱な外見からいじめの標的にされている。
隣に住む野球とラグビーの選手、ディングが彼のヒーローだ。
友だちがいないので、9歳の誕生日パーティに来るのは親戚の老人ばかり。
犬が欲しいと言うが、退役軍人で会計士をしている父は犬を飼うことに反対する。
しかし母が父を説き伏せ、ジャックラッセル・テリアの仔犬をプレゼントしてくれる。
犬はスキップと名づけられ、いつもウィリーと行動を共にするようになる。
そしてスキップのおかげでウィリーに友だちができる。

ある日、野球の試合で上手くいかなかったウィリーはスキップに八つ当たりをして殴ってしまい、スキップは行方不明になってしまう。
ウィリーはスキップを探し回るが…。

原作はウィリー・モリスの『MY DOG SKIP』です。
犬好きは観ない方がいいかも。というのも主人公がスキップを軍用犬に志願させたり、野球の試合でスキップがグランドから出て行かないからと殴ったりするんですよ。
原作を読んでいないのでなんとも言えませんが、観ていて犬の扱いがぞんざいなところが嫌でした。

お父さん役がケヴィン・ベーコンでお母さん役がダイアン・レインです。懐かしい。
戦争で片足を失い、一見子どもに厳しい高圧的な父親ですが、実はとても子ども思いなのです。
犬を飼うのを反対したのも、戦争で沢山の死を見てしまったので、子どもに死の悲しさを感じさせたくなかったからなのです。
兵役に行って、逃げ帰ってきたディングの気持ちが一番わかるのが彼で、ディングにかける言葉が良かったです。
犬も可愛いけど、それ以上にお父さんが素敵な映画です。


「マイ・ニューヨーク・ダイアリー」
作家を夢見るジョアンナは西海岸からニューヨークにやって来て住みつき、西海岸に彼がいるにも関わらず、ろくでもない作家志望の男と同棲し、職業斡旋業者から紹介された老舗出版エージェンシーで職を得る。

上司のマーガレットは、30年間も小説を書いていない人気作家サリンジャーのエージェントで、彼女から任されたのが、ファンレターへの返事。つまり決まりきった定型文の手紙をタイプし、送ること。
ジョアンナは熱心なファンからのファンレターに返事を書いて出してしまう。
それがバレるが、首にはならなかった。

ある日、サリンジャーから電話が来る。
何故か彼はジョアンナを気に入り、作家になるためのアドバイスをしてくれた。
その後、ジョアンナに『ハプワース16、一九二四』を出版したいので出版社に仲介してくれるように依頼してくる。

マーガレットに認められ、担当作家がつくことになった矢先に、ジョアンナは作家になるという夢に立ち向かうため、出版エージェンシーを辞めることにする。
自分の書いた詩をニューヨーカーに持ち込んだ日、なんとあのサリンジャーが…。

サリンジャー好きには嬉しい映画だと思います。と言っても、今の日本の若者たちにサリンジャーはそんなに受けていないし、知らない人の方が多いですよね。
大学時代にサリンジャーを読んで好きになった私は、それなりに面白かったです。
主人公があまり好きになれませんでしたが。
あんなクソ男、よく選んだわよね。
お金もないくせに、彼女のお金を当てにして、一緒に住む家を、それもキッチンがない家を、家賃が手ごろだと言って、彼女の意見も聞かずに借りちゃうんですよぉ。
お風呂で食器とか洗うんです。信じられない。
それに浮気するわ、ジョアンナも知っている友だちの結婚式に一人で行くわ、一体何様なのよ、お前!(言葉が悪くてゴメンなさい)
前の彼の方が何百倍もいいじゃん。
そんな彼女でも作家になって『MY SALINGER YEAR』(この映画の原作)を書くまでになるんですから、人の運命ってわかりませんね。
エージェンシーの部屋の雰囲気が素敵で、それだけで私は満足ですwww。


「異動辞令は音楽隊!」
刑事一筋30年という鬼刑事・成瀬司は、強引な捜査を行なうため警察上層部から疎まれ、嫌われていた。
たまたまハラスメント疑惑が持ち上がったのをいいことに、アポ電強盗事件を追っていたというのに、成瀬は音楽隊に異動させられてしまう。
和太鼓をちょこっと囓っただけの俺がなんで音楽隊に行かなけりゃならないんだとごねてみるが、どうしようもなかった。

仕方なく成瀬はバスに乗り、はるばる田舎にある練習場に行く。
どうもメンバーたちは警察署内のはみ出し者みたいだ。
和太鼓をやったことがあるということで、成瀬はパーカッション担当。ドラムをやることになる。

そんなある日、新たなアポ電強盗が起ったというテレビを見て、成瀬は捜査会議に乱入するが、お前はもう刑事ではないと追い出される。
市民フェスティバルで演奏するが、散々な出来で、知事に税金の無駄遣いだと責められる。

失意の成瀬がお好み屋で食べていると、音楽隊メンバーの来島がやって来る。
話してみるが、意見が合わず、帰宅すると、なんとポケットに警察手帳が入っている上着を店に忘れてきたのに気づく。
上着を届けに来た来島は成瀬に言う。
「音楽と同じですよ。ミスしても周りがカバーすればいいんです」と。

なんとかふっきれた成瀬はドラムの練習に打ち込む。
彼の様子を見ていたメンバーたちも彼に感化され、音楽隊はだんだんとまとまっていく。
音楽隊のファンの老婦人・村田ハツも成瀬のことを応援してくれる。
しかし、知事から音楽隊の失態を聞かされた本部長の五十嵐は、次の定期演奏会を最後に音楽隊を廃止すると宣言する。
自分たちはどこに飛ばされるのかと不安になるメンバーたち。

そんな頃、またもやアポ電強盗事件が起り、今度は被害者が死亡する。
その犠牲者が村田ハツだった。
悲しみに沈む音楽隊メンバーたちは、犯人グループのボスの割り出しに策を巡らすことにする。

なんとなく面白いかなっと思って観てみました。
阿部ちゃん、やさぐれ刑事が合っていますね。
最後にどうなるか、すぐに分ってしまいますので、暇な時に、ビデオで観るのがいいかも。