仕事で頑張る若い女性のお話(文庫本)2024/01/13

原発性アルドステロン症の診察で内分泌科に行ってきました。
年末、食べ過ぎたため、1~2㎏太り、中性脂肪が増えてしまい、主治医がめちゃ怖かったですww。
12月に健康診断をしたのですが、腎臓の機能を表すeGFRの値が若干低く、軽度の腎機能障害があるかもと指摘されていたので、そのことを言うと、今飲んでいる薬でそういうことが起るのだそうです。
薬を減らすとeGFRの値は高くなるけど、それでは血圧が上がってしまうので、仕方ないそうです。
知りませんでしたわ。
原発性アルドステロン症の方で腎臓の機能低下がある方、そういうことだそうですので、ご参考までに。


『ユリイカの宝箱 アートの島と秘密の鍵』 一色さゆり
桜野優彩は家の都合で高校を卒業してから画材店に就職した。しかし、画材店は半年前に店じまいをしてしまう。絶望感に襲われた優彩は、友人から仕事の誘いはあったが、その仕事は自分には無理なんじゃないか、本当に自分のやりたいことなのか考え始め、袋小路にはまってしまう。
そんな頃、梅村トラベルという見知らぬ旅行会社からアートの旅への招待状が届く。担当者の志比桐子に問い合わせてみると、新しくアートの旅行を企画する予定で、モニターとして参加し、サービスの感想や改善点についてのアンケートに答えるだけで、旅費のほとんどを負担してくれるのだとか。優彩は思い切って参加することにする。
行き先は「現代アートの聖地」、瀬戸内海に浮かぶ直島。
旅の終わりに優彩は桐子から一緒に働らかないかと誘われる。それだけでも驚きなのに、優彩と桐子は優彩が小学校の頃に会ったことがあるというのだ。
優彩は梅村トラベルで働くことにするが、桐子のことは思い出せない。
一方、桐子と巡るアートの旅は、人生に迷う人に寄り添い、前へ進もうと優しく誘ってくれるものだった。

一色さんは原田マハさんとは違った角度からアートを描いています。
この本では、アートは難しく考えることはない、自分自身と向き合うことだと教えてくれます。
アートは優彩に「自分の可能性を削っていたのは、他でもない自分自身」であり、「壁だと思い込んでいた境は、じつは、つぎの世界への入り口かもしれないのだ」と気づかせてくれました。

アートに関する印象に残った言葉をいくつか書いておきます。
「アート鑑賞って、基本的に誰にとっても、ユリイカの連続だと思うんです」
(注:「ユリイカ」とはギリシャ語の『わかった』)
「民藝では、美しいものは特別な人だけが生みだすものではなく、無名の職人の手仕事にも宿っているという考えがある」
「アートは決して、日常とかけ離れたものじゃない」
「アートって、自分の人生を見つめ直すきっかけをくれるから。道に迷ったときに光を照らしてくれる存在」

ちなみに彼女たちがお客様と訪ねた美術館は、直島の地中美術館、京都の河合寅次郎記念館、安曇野の碌山美術館、佐倉のDIC川村美術館です。
私は地中美術館とDIC川村美術館に行ったことがあります。どちらもお勧めです。
実はとても碌山美術館に行きたくなり、電車の時刻表を見たり、松本のホテルを探したりして、旅行日程を作ってしまいました。暖かくなったら、一泊二日の予定で行ってきますわ。
是非桐子たちとアートの旅へ行ってください。

『上毛化学工業メロン課』 奥乃桜子
瓜原はるのは上司、坂上の命を受け、『上毛高分子化学工業株式会社 赤城第二工場』に異動になる。工場は見渡す限り荒れた畑の中にある物置みたいな二つのプレハブ小屋で、入り口に『メロン課』と書いてある。まさかここ?なんとそこは問題社員を集めた「追い出し部屋」だったのだ。しかし、社長賞をとった、はるのの憧れの先輩で天才研究員と言われた南がいるはず。だが、南はパワハラ上司に逆らい左遷され、今や酒浸りだという。彼らは三年以内にメロンを収穫しないと首だと言い渡される。はるのはなんとかしてみんなをやる気にさせ、メロンを栽培しようとするが、前途多難。

なんとも情けない南と何があっても挫けない、前向きなはるのとの対比が面白かったです。パワハラ上司、室谷、最悪。会社の権力争いっていうものは…溜息。
できすぎ感はありますが、お仕事の本としては面白いですよ。
メロンは栽培がとっても難しいんですって。知りませんでした。
メロン農家さん、いつもありがとうございます。もう少し価格が下がれば、もっと食べますけどww。

『わたし定時で帰ります。3 仁義なき賃上げ闘争編』
定時帰りをモットーとする東山結衣は残業をしたがる若い部下、本間に悩まされていた。二週間前に仙台支店が炎上し、それを鎮めるために結衣の婚約者である種田晃太郎と甘露寺勝が仙台に行き、彼らの代わりとして仙台支社から来たのが平のディレクターの本間とサブマネージャの塩野。会社から残業削減指令が出ているにもかかわらず、本間と塩野谷は残業は仙台では当たり前だという。それでは収まらないのが結衣。本間から残業代がないと生活が苦しいという話を聞き、仙台支所の実態を探っていくと、思ってもいなかった事実が発覚する。定時帰りを死守するために、給料アップを目指し、結衣は人事評価制度の改革を提案するが…。
一方、結衣と晃太郎の結婚は仙台支社の炎上が収まらず、棚上げとなる。
はたして晃太郎との結婚はどうなるのか。

いろいろと問題山積のネットヒーローズ株式会社です。といってもこの会社だけの話ではないですよね。
生活残業や創業メンバーと中途採用の扱い、世代間の給与格差などの問題がわかりやすく書かれた作品です。
出世する気になった結衣がどこまでやるのか、楽しみです。

簡単に読める、面白い本ですので、お暇な時にどうぞ手に取ってみてください。