エリカ・ルース・ノイバウアー 『豪華客船オリンピック号の殺人』 ― 2024/09/24
ジェーン・ヴンダリー・シリーズの三作目。

英国政府のエージェントであるレドヴァース・ディブルからの依頼で、ジェーンは夫婦のふりをして、豪華客船オリンピック号に乗り込む。
使命は船に乗り込んでいるドイツのスパイを見つけ出すということだ。
容疑者は三人。
まず最初にジェーンはハインズ・ナウマンという男と友好関係をきずくようにレドヴァースに言われる。
ところがジェーンは他のことにも首を突っ込んでしまう。
ある新婚カップルの夫が船から消えてしまったというのだ。
妻は騒いでいるのに、何故か船長はとりあおうとしない。
ジェーンは出港時に彼女と夫を見ていたので、つい口を出してしまう。
そのため隠密捜査と女性の夫捜しの二つの問題に関わることになってしまう。
一作目のエジプトから二作目のイギリスと来て、今回はアメリカへの航海中というように場所が移って行きますが、前にも言いましたが、全く旅行ミステリにはなっていません。
しいていうと1926年当時の豪華客船の様子がわかりますけど。
とにかく二回も殺人事件を解決したのでジェーンが自分の能力を信じすぎて、傲慢になっている姿がちょっと鼻につきます。
戦争で亡くなった夫がDV夫だったらしいのですが、当時の男性として彼が特別悪かったというわけではないように思えてきました。
デビュー作の『メナハウス・ホテルの殺人』でアガサ賞の最優秀デビュー長編賞を受賞したので翻訳されたのかもしれませんが、ミステリとしてというのではなく、豪華客船の旅がどんなものか知りたい方がいたら、読んでみて下さい。
シリーズの他の本を載せておきます。
①『メナハウス・ホテルの殺人』(2023年2月)
②『ウェッジフィールド館の殺人』(2023年7月)
③『豪華客船オリンピック号の殺人』
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