ケリー・グリーンウッド 『華麗なる最初の事件 令嬢探偵ミス・フィッシャー』2021/06/21

新しいコージー・ミステリ・シリーズです。


1920年代のお話。
1920年代はアメリカでは「ジャズ・エイジ」、イギリスでは「黄金時代」と呼ばれています。

フライニー・フィッシャーは英国の男爵令嬢。
彼女は1920年代に流行したフラッパー。自由奔放で、ダンスが上手く、ファッションのセンスは抜群。車と飛行機の運転が得意です。
様々な晩餐会に出席していますが、飽き飽きしています。
今回の晩餐会も退屈していましたが、しばらくしてマダム・サンクレールがダイアモンドのネックレスが無くなったと騒ぎ始めました。
フライニーは現場を見て、すぐに犯人を特定します。
そんなフライニーに感心したハーパー大佐は彼女に個人的な相談をしたいと言い出します。
次の日、大佐の家に行ってみると、娘のリディアのことでした。
リディアはオーストラリア人と結婚したのですが、里帰りした時にげっそりと痩せており、三週間の英国滞在で元気になり、メルボルンの夫の元に帰ったのに、また具合が悪くなったというのです。
ハーパー大佐は娘の夫が娘に毒をもっているのではないかと疑っていたのです。
英国での生活にうんざりしていたフライニーは真相を確かめにオーストラリアに行くことを承諾します。
実はフライニーはオーストラリアとは縁があるのです。

オーストラリアには知り合いの女医のエリザベス・マクミランと一緒に船で行きました。
ドクター・マクミランはクイーン・ヴィクトリア病院で働いています。
ある日、彼女のところに違法な中絶手術を受けた女性が運び込まれます。
警察によると三年前から違法中絶手術を行っている男がいて、その男を捜しているというのです。
ドクター・マクミランからこの話を聞いたフライニーは男を捜してみることにします。

その頃、フライニーはナイフを忍ばせた娘を見つけ、お茶に誘っていました。
彼女はメイド先の息子に迫られ、逃げ出すと、息子を誘惑したと屋敷を追い出されたというのです。雇われ先もなくなり、娼婦になるしかなくないと思い詰め、腹いせにその息子を殺そうと思ったようです。
フライニーは彼女、ドロシー・ウィリアムズに同情し、自分のメイドとして雇うことにします。
ドクター・マクミランから違法中絶医の話を聞いたフライニーは、ドロシーの知り合いにもぐりの中絶医について聞いてもらうことにします。

さて、本来の目的を果たさなければなりません。
フライニーはハーパー大佐の娘、リディアと接触することにします。

この最初の事件で味をしめ、フライニーは探偵として二巻目以降も活躍していきます。
Netflixでドラマ「ミス・フィッシャーの殺人ミステリー」が見られる(見られた?)みたいです。


フラッパールックってこんな感じです。
赤い口紅、ボブ・カット、丈の短いそでなしショートドレス…。
今見ても素敵ですね。
この女優さんは何歳でしょうか?40歳以上に見えるのですが、ミス・フィッシャーはせいぜい30歳前後よねぇ。
本の題名とイラストが可愛すぎて、フライニーらしくないですが、この本、意外と面白いですよ。
女性向きでしょうね。
男性は荒唐無稽なお話とバッサリしちゃいそうです、笑。

今年の11月に21巻目が出版されるようです。
年に一冊ずつ翻訳して出版だと20年もかかるのねぇ。
私、生きているかしら、笑。