吉永南央 『薔薇色に染まる頃 紅雲町珈琲屋こよみ』 ― 2022/11/12
紅雲町珈琲屋こよみ・シリーズの10作目。
シリーズがマンネリしてきたと作者が思ったのか、はたまた新しいことに挑戦しようと思ったのか、今回はびっくりする展開になります。
このシリーズは日常生活に潜む謎を探るものだと思っていたのですが。

コーヒー豆と和食器のお店「小蔵屋」を営む杉浦草は、昔手放し後悔した帯留めが戻ってきたと「海図」の店主から連絡を受ける。
ちょうど次の日に仕事で京都まで行く予定だったので、草は帯留めを取りに東京に寄ることにする。
アンティークショップ「海図」は似たようなビルが多い、狭い道が入り組んだところにある。そのためいつも草は道に迷う。
これまで草に道を指し示してくれたユージンという少年がいた。
しかし今回、彼はいない。
「海図」でユージンのことを聞くと、彼が消えたと言う。
彼の父の室橋は暴力団組織に属さない、人に言えない仕事をしている男で、ユージンはネグレクトされていたらしい。
最後にユージンに会った時、自分が死んだらあるものを運んで欲しいと草は頼まれていた。
ユージンからの頼みをやり遂げ、草は新幹線に乗る。
その時、小学校低学年ぐらいの少年が誰かと間違えたのか草の手を握り、二列席に草を引き込む。
少年はジュンと言い、彼の母親のキョウカは彼がどうしても富士山を見るって言っていると言い、ジュンを草の隣の席に座らせ、自分は三人掛けの席につく。
しばらくしてキョウカはトイレに行く。
不穏な声が聞こえ、キョウカが戻って来て、京都のホテルにジュンを匿ってくれ、すぐに迎えをやるからと言い捨てると、前のドアから出て行った。
キョウカはホームで二人の男に捕まれていた。
草とジュンは男の一人に顔を見られてしまう。
泊まる予定のホテルに電話し、一人増えると告げると、男が訪ねてきたと言われる。草はホテルをキャンセルし、京都ではなく新大阪で降りることにする。
草とジュンの逃避行が始まる。
ユージンとジュン、キョウカの関係は、そして彼らは誰から逃げているのか。
草たちは逃げ切れるのか…。
草さんって和装のおばあさんですよね。
そんな彼女が機転を利かせて、追っ手と警察の裏をかいていきます。
もちろん彼女一人ではできませんから、仕事仲間や紅雲町の仲間に手伝ってもらいます。
「小蔵屋」の従業員の久美ちゃんは状況がわからずヤキモキしています。
そうそう彼女と彼氏さんの間には色々とあるんですねぇ。
新鮮ではありましたが、わたしは紅雲町で起る毒のある事件の方が好きです。
あまり草さんに無理をさせないで下さいね。お願いします。
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