東野圭吾 『プラチナデータ』2010/11/24



司書さん、お勧め本です。

犯罪防止を目的として個人情報の取り扱いに関する法案、『通称DNA法案』が国会で可決されました。
この法案は警察の捜査に個人のDNA情報が使えるというものです。

検挙率が飛躍的にアップしました。

ところが、科学捜査を嘲笑うかのように、精液が残されているのに、犯人がわからないという連続婦女暴行事件が立て続けに起こります。
犯人のDNAに一致する人物が見つからないことから犯人は「NF13」と呼ばれることになります。

このDNA捜査システムを開発したのが、天才的頭脳の持ち主で、中学生の時に数学で博士号を取得したという蓼科早樹です。
彼女は自閉的傾向と身体コンプレックスもあり、病院に入院していました。

彼女の開発したシステムを警視庁のために使っていたのが、早樹の兄の耕作と親しくしているの察庁特殊解析研究所主任解析員の神楽でした。

ある日、神楽は耕作から「NF13について話がある」と呼び出されます。
ところが、話を聞く前に蓼科早樹と耕作は殺されてしまいます。

現場に残されていたDNAは、神楽のものと一致しました。

実は神楽は二重人格者で、彼のもう一人の人格は、蓼科兄弟が殺された時に彼らの入院している病院の一室で絵を描いていたはずなのです。

一体蓼科兄弟を殺したのは誰なのか。
DNA捜査システムには何か不備があるのだろうか。

犯人と疑われた神楽は真実を求めて逃走します。

東野の本はこの頃読んでいないので、ちょっとびっくりしました。
科学捜査なんて、今まで読んだ本にはなかったような。
これから十分ありえる未来を描いていますね。

でも、DNAを知られることよりも、ネット社会の方が私には脅威です。

最後の方にこじつけか・・・と思えるところがありましたが、それなりに楽しめる内容でした。