カズオ・イシグロ 『浮世の画家』2011/10/21



戦前は優れた画家として尊敬され、弟子もたくさんいた小野は、戦中に犯した罪のため戦後は筆を折り、古い屋敷に娘と共に暮らしていました。
上の娘は結婚して息子が一人いますが、下の娘はまだ嫁いでいません。
縁談が上手くいきそうだったこともあるのですが、破談になってしまいます。
原因は何だったのか。
自分の戦中の行為なのか。

小野の取り留めもない過去の記憶と独白。
戦前の古い価値観と戦後の新しい価値観の狭間で、自分は何も恥じることをしなかったと思う小野ですが…。

失われつつある日本文化に対する哀感漂う、どことなく浮世離れしたイシグロ・ワールドです。

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