『ゴヤ 光と影』展@国立西洋美術館2011/11/02

上野駅に降りた時から何やら人が多い。
改札には高校生とおばさんたちがゴチャゴチャいました。
これは・・・。
予想通りにゴヤ展は混んでいました。


最初にゴヤの自画像がお迎えしてくれます。
ちょっと小太りの農夫のような外見です。14歳から絵の勉強をして、40歳で宮廷画家に上り詰め、その後聴力を奪われたそうです。有名なマハは聴力を失ってから描かれたものだそうです。

彼の絵では『マドリード、1808年5月3日』や『我が子を食らうサトゥルヌス』、そして『黒い絵』が見たいと思っていました。これらの絵が一枚も来ていないので、実際にスペインに行って見るしかないでしょうね。
いつ行けるかしら?(ついでにサクラダファミリアも見たいです)

ゴヤは宮廷画家になる前にタペストリー用の原画をたくさん描いています。
別に油絵にしなくてもいいんじゃないかとも思ったのですが、タペストリーにするには原寸大の絵が必要だったのでしょうか?


タペストリーの絵は庶民の生活を描いたものが多いようです。上の「日傘」なんかかわいいので、こんなタペストリーなら欲しいですけれど、他の絵はちょっと・・・というものが多いです。風俗画として見るとおもしろいのですが。

実は私、『着衣のマハ』の「マハ」って人の名前だと思っていました。
「マハ」って、「小粋な女(小粋なマドリード娘)」という意味のスペイン語なんですって。「彼女らは、この地方独特の歯切れの良い発音と言い回しで、若い男と戯れ、時には自由奔放な生活を楽しんだ」そうな。
知らなかった・・・。


この絵は最初はビーナスを描いたと言われていたそうです。
大分前の何かの記事に、貴族か金持ちかが愛人の裸の絵を描かせ、普段は裸の絵を飾っていたけれど、人に見られてもいいように後に着衣の方も描かせたと書いてあったので、私は小さな絵だと思っていました。小さくないと架け替えるのが大変ですから。
しかし、大きい絵なんですね。小柄な女性の等身大の絵と言ってもいいぐらいの大きさです。
絵は実物を見なくてはね。

宮廷画家としてのゴヤは肖像画を描いています。
私が好きなのは、ゴヤのパトロンだったアブランテス侯爵夫人の肖像画です。


ちょっと他の肖像画と絵筆のタッチが違います。

油絵よりも数が多かったのが版画や素描です。そのどれもが風刺がきいていて、気味悪くもあり、小気味でもあり・・・。
一番好きなのは、人間の愚かさをロバで描いたものです。


このロバ君、ショップではキタムラがキーホルダーにしてました。欲しかったのですが、ちょっとお高く、買うのを止めました。

版画や素描を見ていると、ゴヤはキリスト教の司祭たちに対してものすごい嫌悪感を持っていたのがわかりました。
それでもゴヤの描いた宗教画は結構いいです。

実はゴヤとは関係ないのですが、『もやしもん』の石川雅之が描いている『純潔のマリア』を読みました。


この漫画は百年戦争を描いているので、時代が違います。
魔女マリアは戦争を嫌い、人間たちに戦争を止めさせるために奮闘しています。聖職者たちの腐敗や戦争をする愚かしさなどが描かれていて、ゴヤの描く<戦争の惨禍>と通じるものを感じてしまいました。
ひょっとすると今の日本は戦争時と似通っているのかなぁ、などとも思ったりして。

ゴヤの頭の中がどうなっていたのか、興味を持ちました。
堀田善衛の『ゴヤ』でも読んでみようかしら。

私の気に入った今日の一枚。
『空を飛ぶ犬』です。


美術展の後はランチです。
今回は上野駅にあるブラッスリーレカンに行きました。
奮発してシェフお勧めランチ3900円を食べてみました。


写真はメイン料理の「トロトロに煮込んだもち豚のグリエ」です。
デザートが4か5種類から選べます。