宮部みゆき 『おそろし――三島屋変調百物語事始』2011/11/11



あんじゅう』を先に読んでしまったので、何故おちかがふしぎ話を聞くようになったのかがわかっていませんでした。『おそろし』を読んで、やっとわかりました。
彼女が三島屋にお世話になるようになった理由も詳しく書かれています。
『おそろし』を読んでから『あんじゅう』を読むことをお勧めします。

表紙に曼珠沙華(彼岸花)が描かれています。
百物語の一番最初になる話は曼珠沙華にまつわる兄弟の話です。
曼珠沙華は不思議な花で、葉っぱは花が咲いている時にはなく、花が枯れると出てくるそうです。考えてみると、葉を見たことがないようです。きっと見ているのでしょうが、それが曼珠沙華の葉だと理解していないのでしょうね。
有毒植物なのだからでしょうか、墓地によく咲いているからでしょうか、不吉な花とされていますね。
私には花の赤色が血のように毒々しく見えます。何かバイアスがかかっているのかもしれませんね。

花ことばは「悲しい思い出・想うはあなた一人・また会う日を楽しみに」と別に変な意味はありません。

江戸物を読んでいると長屋の互助組合的な生活がうらやましくなりました。
今の日本人が失ってしまったものです。
子供の面倒を見てやったり、病気になって寝ていると看病してやり、孤児になった子供を引き取って本当の子供のように育てたり・・・。
庶民の中にあった知恵のようなものだったのでしょうね。

コメント

_ himawari ― 2011/11/12 13時58分10秒

昔は人情ありましたよね。3.11の地震でそれをまた感じました。お互いを助け合う精神は尊いですね。宮部みゆきの『火車』TVで観ました。文字通り火の車。借金のために殺人を重ねる女の話でした。ちょっと怖かったですよ。これも怖そうですねーー;。彼岸花が有毒植物とは・・・。
11とかゾロ目は縁起がいいのでしょうね。縁起は担ぐほうです^^。

_ coco ― 2011/11/12 17時53分26秒

himawariさん、
この本には人間の情念の恐ろしさが描かれています。
詳しくは言えませんが、女って怖い生き物・・・?
おちかのような能力がなくて、ホントよかったわ。
このまま幽霊も見たくないから見せないでね、と神様に拝んでいます。

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://coco.asablo.jp/blog/2011/11/11/6197266/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。