夏樹静子 『天使が消えていく』2013/05/17



婦人誌の記者・砂見亜紀子はインタビューに行った先の病院で重症心臓疾患児ゆみ子に出会い、天使のような彼女に魅了されます。
亜紀子がゆみ子のことを記事の中で触れたおかげで、匿名の男性が彼女の治療費を寄付してくれました。
ゆみ子は退院でき、母親の神崎志保の元へ帰っていきました。
しかし、亜紀子はゆみ子を邪険に扱う志保の様子を見て心配になり、2、3日ごとにアパートに押しかけ面倒を見てしまいます。

その頃、ホテルで宿泊客が絞殺され、そのホテルのオーナーが青酸カリの入った牛乳を飲み、不審な死に方をしていました。
捜査の段階で容疑者として志保が浮かんできます。

ある夜、志保は亜紀子へ不可思議な電話をしてきます。
すぐに亜紀子は志保のアパートへと行きますが、彼女は密室状態で亡くなっていました。
自殺なのか、他殺なのか。志保はゆみ子のことをどう思っていたのか。
亜紀子は志保の死の謎を解こうと決意するのでした。

何故亜紀子がゆみ子へ、これほどのめり込んでいくのか、その理由が私には全くわかりませんでした。
最後に明かされる真実には驚かせられました。

最後から見ても、夏樹さんは、無条件に赤ちゃんはかわいいから、女性なら赤ちゃんに対して亜紀子のような感情を持つのは当たり前という感覚なんだなという印象を持ちました。
まあ、1970年に書かれたものですから、仕方ないのでしょうね。
今なら、幼児虐待なんか当たり前になってしまってますからねぇ。

意外と夏樹静子の作品はおもしろそうだと思いました。
これから少しずつ読んでみるかもしれません。

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