西條奈加 『いつもが消えた日―お蔦さんの神楽坂日記』 ― 2014/07/10
『無花果の実のなるころに』の続編がでました。
またお蔦さんの粋な振る舞いが読めると楽しみにしていました。
ところが、この本、「あたたかな情緒あふれる」短編集ではありませんでした。
桜寺学園の元クラスメートの森彰彦と彼とサッカー部の後輩の金森有斗、近所の薬局の息子の洋平が望の作った夕食をたいらげた日に、有斗の家族がいなくなりました。
家は血だらけで誰もいないのです。
お蔦さんはそんな有斗を家族が見つかるまで自分の家に引き取ることにします。
神楽坂商店街の人たちの協力の仕方は半端ではありません。
古き良き時代のお隣さんという感じです。
日常の謎を解く殺人の起こらないミステリーと思っていたら、違いました。
お蔦さんという古い日本を体現するような人と現代の社会問題というギャップがおもしろいのかもしれませんね。
望君のお料理が楽しみなシリーズです。
望君のような息子求む!(笑)
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