若竹七海 『さよならの手口』2014/11/10



女探偵、葉村晶シリーズの最新作です。
私がこのシリーズを読んだのは今年になってからなので、それほど昔のものだとは思っていませんでしたが、あとがきに13年ぶりの登場とありました。
『悪いうさぎ』の頃に31歳だったということは、40代になっているということです。
一体彼女は何をしていたのかしら?
まず、びっくりしたのは、彼女の収入源の長谷川探偵調査所が店じまいをしてしまったということです。
ようするに失業しちゃったんですね。
今は<MURDER BEAR BOOKSHOP>というミステリ専門書店でアルバイトのようなことをしています。
店主は彼のペースに人を巻き込むのが得意な奴です。
晶も彼のペースにのせられてしまったのです。

ミステリ・フェアのための古本探しをしている最中に、店主の富山が本を引き取りに行って欲しいと電話をよこします。
行ってみると、蹴飛ばすと崩れてしまいそうなボロ屋で、売れそうな本が皆無と言っていいほどでした。
押入れの中の本を見ていると、大家の犬がやってきて、捕まえようとすると、床が崩れ落ち、晶は大けがをしてしまいます。
その時、ついでに頭蓋骨を見つけちゃうのもご愛嬌です。
結局、ボロ屋のカビを吸い込んでしまったために起こったアレルギーやらなんやらで、思ったよりも長く入院生活をしてしまいました。
やっと退院という時に、同室にいた元女優から20年以上も前にいなくなった娘を探して欲しいと依頼されます。
久しぶりに探偵業再開となりますが・・・。

晶の行くところ、騒動が持ち上がり、満身創痍の晶です。

シリーズとして続くのなら、次回は<白熊探偵社>の葉村晶になって活躍してくれますよ。
<白熊探偵社>なんて、ちょっと名前が・・・。