堂場瞬一 『共鳴』2015/02/25



大学にも行かず、半引きこもりの将は真夜中、何か食べる物を買おうとマンションを出たところを拉致されました。
拉致したのは、めったに会わない祖父の麻生和馬。
将は麻生の家に連れて行かれ、色々とこき使われる(?)ことになります。

麻生は警察OBの退職後の名誉職のような「県警防犯アドバイザー」を長年やっていました。
近所の人たちは何でも麻生に相談しにきます。
将が麻生と暮し始めてすぐに、近所の中華屋から近頃雇った中国人女性が毎晩店が終わった後に男とこそこそしているので調べてほしいと頼まれました。
祖母が亡くなった孫からは、祖母が亡くなった時の父親の様子がおかしいと相談を受けます。
将は麻生から聞き込みのようなことをさせられます。

警察の介入できない家庭の事情に麻生が入り込んでいきます。
こういう一見おせっかいなのだけど、人望が厚いじいさんなんて、今頃いるのかしら?
将は麻生に反発しつつも、しぶしぶ指示に従っています。
根はいい子なんです。
実は彼が引きこもりになったのにはある事情があったのです。
聞いてその訳を知るというのは怖いことですよね。
もし自分の恐れていたとおりだったらと思うとね。
家族だからこそ聞けないことがありますもの。
将は麻生のおかげですっきりとし、一歩前に踏み出せたのではないでしょうか。

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