前田司郎 『道徳の時間 /園児の血』 ― 2016/11/30

前田さんの本を初めて読みました。
「道徳の時間」
小学校5年生2組で「浣腸」が流行っていました。
初めの流行の時はみんながやられていたのに、次の流行時には特定の女の子だけが男の子たちの標的にされていました。
彼女は成長するときれいになるのが垣間見られる子で、男の子たちは彼女のことが気になっていました。
女の子たちは敏感にそれを感じていて、彼女は「浣腸」されるのが好きなのだと思ってほっていました。
担任は「浣腸」が流行っているのを知っていましたが、まだ注意するには早いと判断してほっておいたのですが・・・。
「浣腸」という遊びに潜むもやもやっとした微妙な思春期以前の子どもたちの雰囲気がよく描かれていると思いました。
小学校5年生って大人をおちょくるところがあり、あつかいずらい年代ですものね。
担任の先生は我が子の担任にはなって欲しくないタイプです。
「浣腸」される子の、特に一人だけ標的にされている女の子の気持ちがわからないなんて、ちょっと鈍感すぎです。
「園児の血」
幼稚園児が大人のような口調でしゃべっていておもしろいのですが、だから何っていう感じで、それが楽しめたらそれでいいんじゃないという感じです。
1時間もかからないで読める本でした。
子どもって何を考えているのかわからないのですが、彼らなりに何か考えているんでしょうね。
もう一度戻りたいとは思いませんが、自分はその頃、何を考えて生きていたのか知ることができたらおもしろいかなとは思います。
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