大沼紀子 『路地裏のほたる食堂 1~3』2019/07/21



「ほたる食堂」という屋台の料理屋は、居場所を持たず営業をする店です。
お金を持っていない子供は無料で、一つだけ秘密を話すことが決まりです。
店主の神宗吾は記憶喪失で、料理が抜群にうまい以外は自分の過去を知りません。

『路地裏のほたる食堂』
東京の大学に通い、教育実習のために故郷に戻った久住亘。
高校の時に苦手だった結衣も実習に来ていることに辟易しながらも、それなりに実習をこなしていきます。
生徒の中には個性的な子もいます。
給水塔に登っているのを注意した男子生徒はものすごく整った顔をしていて、ダンサーのような身体をしていて、何故か腰に炊飯器をぶら下げていました。
彼は鈴井遙太といい、おにぎりを握らせ、食べて占いをしていました。

その頃、双子の妹から子猫を入れた缶「猫缶」が放置されている事件の話を聞きます。
亘は結衣と共に犯人を捜すことにしますが・・・。

『路地裏のほたる食堂 2人の秘密』
東京に戻った「ほたる食堂」の店主・神宗吾のところに、夏休み限定のバイトとして押しかけてきたのが鈴井遙太。
この2人には共通の、他の人には秘密にしている、不思議な力がありました。

「ほたる食堂」に姿を消したグラビアアイドルの行方を捜している男がやってきます。
遙太は早速自分の力が役立つと思い、捜査に協力しようとします。
遙太とは反対に自分の力を秘密にしておきたい宗吾でしたが、捜査に巻き込まれていきます。

『路地裏のほたる食堂 3つの嘘』
東京の大学に入学した遙太は、たまたま神が脚に怪我をしてしまったため、神の家に滞在し、神の手伝いをすることになります。

ある日、ビーフストロガノフを出した時にやってきた一見の客が、このビーフストロガノフは娘のレシピだと言いだします。
娘は駆け落ちをして、行方知らずだというのです。
そこで娘の捜索の手伝いをしようと言い出すのが、遙太。
さて、無事に娘は見つかるのか。

一巻目を読むと、主人公は誰?この本での「ほたる食堂」の役目は何?
とクエスチョンが頭の中を行き来しましたが、二巻目からは店主の神とバイトの遙太の二人の掛け合いが面白くなります。
次回は神の過去が明らかになるのかしら・・・。