桐野夏生 『真珠とダイヤモンド』 ― 2023/03/08

1986年、伊東水矢子と小島佳那は萬三証券株式会社・福岡支店に入社する。
水矢子は高卒で営業部補佐に、佳那は短大出で営業部一課のフロントレディに配属された。
水矢子は中学校の時に父を亡くし、母と暮らしている。
母は仕事から帰ると酒に溺れる毎日。
そんな母に愛想を尽かし、水矢子は金を貯め、二年後に東京の大学に進学しようと決めていた。
一方、佳那は、フロントレディは男性社員の結婚相手として雇われているような存在だったが、バリバリ働きたいと思っていた。
やる気のある目立つ存在だったことが裏目に出て、女子社員たちから除け者にされてしまう。
水矢子はフロントレディたちとは一線を画されている高卒社員だったこともあり、仲間はずれになった佳那と立場が近かったため親しくなっていく。
しばらくして佳那は同期の男性社員で野心家の望月と結託してのし上がろうとするが、望月は彼女の姉の元恋人を踏み台にし、危ないやからとも繋がり、なりふり構わずマネーゲームの渦中へと身を投じていく。
やがて佳那は東京に栄転が決まった望月と結婚し、仕事を辞め、ディズニーランドの見えるマンションで贅沢な生活を始める。
水矢子は第一志望校に落ち、東京の女子大に入学するが…。
バブル期のことはあまりよく覚えていません。
地上げや財テク、海外旅行、ホテルのクリスマスなどこの頃からかな?
この本のような証券会社や一流企業に勤めている人たちやお金持ちの方々がバブルの恩恵を受け、うちのようなお金のない普通の家庭にはそれほど影響がなかったんじゃないかなぁ…?
読んでいると、証券会社には勤めたくないと思いました。
人を騙すような形で金を出させ、投資させ、上客じゃなければ損をさせてもいいなんて、ふざけんじゃないよと言いたくなりました。
でも儲けようと思う、欲の皮のつっぱった人も似たようなものよね。
そんなにいい話はあり得ないと思わないと。
いい話に裏があるとは思いながらも、自分は騙されないと過信しているのでしょうね。
佳那と望月が我が世の春を謳歌していても、どこか地に足が着いていない危うさが感じられ、バブル崩壊後のことを思うと切なかったです。
二人のことは仕方ないと割り切れたのですが、地道に生きていた水矢子のことはネタバレになるので詳しくは書きませんが、可哀想だったです。
バブルって一体何だったのでしょうね。
その頃、企業で戦っていた人たちは今どう思っているのでしょうか。
懐かしいのかな?思い出すのも忌まわしいのかな?
邯鄲の夢みたいなもんなのかしら?
もう一度バブル期の高揚感を味わいたい人やバフル期ってどんなだったのか興味がある方は是非読んでみてください。
上下二巻ですが、あっという間に読み終わりますよ。
<今日のおやつ>
「ロンヤス饅頭」をもらいまいた。

この饅頭は1983年11月11日に日の出町にある日の出山荘で行われた日米首脳会談を記念して幸神堂が作ったものです。
当時の首相は中曽根康弘(ヤス)でアメリカの大統領はロナルド・レーガン(ロン)でした。

↑こんな山荘だそうです。(写真は公益社団法人東京市町村自治調査会からいただきました)
粒あんが結構美味しかったです。
近くに行くことがあったら買って食べてみて下さい。
幸神堂には武蔵五日市駅からバス5分で行けるみたいです。
秋川渓谷でバーベキューができますよ。
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