読んだ時代小説2023/03/31



朝井まかて 『グッドバイ』
幕末から明治にかけて日本茶の輸出貿易をした大浦慶のお話。
長崎の油屋町で菜種油を商う大浦屋の女主のお希以は先祖が異人と交易した船持ち商人であったと祖父に聞き、自分も海の外の物を扱う商いがしてみたいと思った。
お希以は月花楼の女将お政に通詞の品川の紹介を頼む。その時に頼まれた買物を持っていくと品川と一緒にテキストルという阿蘭陀人が来た。彼らと話をしているうちに茶葉を売ることを思いついたお希以はテキストルに持って来た茶葉を預け、見本として知り合いの商人に渡してもらうように頼む。
これがきっかけとなり、お希以は茶葉交易に乗り出す。

長崎で幕末から明治というと、『朝星夜星』と同じ時代ですね。
こんなにも素晴らしい女性がいたのですね。
この時代に興味がある方は是非読んでみて下さい。

知野みさき 『瑞香 神田職人えにし譚』
仕事も順調な縫箔師の咲だったが、変な男が近付いてくる。
九之助という戯作者で、お咲が化け狐ではないかというのだ。
簪職人の修次が言うことには、満月の宴に招かれた彼は「狐の化身」を話の種にしたところ、その宴に来ていた人が九之助と知り合いで、彼から話を聞いた九之助がわざわざ修次を訪ねて来て、御札の話をした後、和泉橋の近くの稲荷神社のことを聞いてきたそうだ。
彼はしろとましろのことで何かを感づいているのではないかと心配する咲と修次だったが…。

お騒がせ男におばあさんと猫の心暖まるお話、人形師の秘密など、今回も楽しませてくれました。
今職が選べるなら、私は職人になりたいと思いますが、縫箔師は目が疲れそうなのでできませんわねぇ。
咲と修次の仲も少しは進んだようです。

高田在子 『あつあつ鴨南蛮そばと桜餅 まんぷく旅籠朝日屋』
主人公のちはるがだんだんと気概のある女性になってきましたね。
「人の心に響く料理を作りたい」と思い、一生修行をしていく決心がついたようです。
ちはるにそう考えるきっかけを与えてくれたのが、仕事を辞める前に江戸見物をしようと朝日屋にやって来た、大坂の呉服屋の老番頭・孫兵衛です。
彼の見る目は的確で、常に商売のことを考えて行動しています。
今回起ったことも彼がいてくれたおかげで上手くカタがつきます。
これからも目の離せない朝日屋です。


<ステップにのったわんこたち>
弟と兄がお座りしているバーションです。


兄の耳毛が目にかかっています。


弟はどこを見ているのかな?


兄の後ろで百面相。


兄は何か気になったようです。


アラ、兄もベロリ。早くおやつをよこせということですか。


最後におすましした二匹も載せておきましょう。