刑事マルティン・ベック 『煙に消えた男』 ― 2024/01/19
刑事マルティン・ベック・シリーズの二作目。

マルティン・ベックは夏休みでストックホルムの群島に行く。
ところが丸一日も経たないうちに、上司のハンマル警部に呼び戻される。
会いに行った外務大臣の側近から言われたのは、アルフ・マッツソンというジョーナリストが十日前からハンガリーの首都ブタペストで行方不明になっているということ。
国際問題にならないように、正式に警察に捜査願いを出さないが、マルティン・ベックに非公式にマッツソンを探して欲しいというのだ。
マッツソンは週刊誌の「東欧エキスパート」で、頻繁に東欧諸国へ旅行していたため、彼に関して警察の国家安全委員会が秘密裡に調査していた。
彼の失踪に疑問を覚えたベックはこの任務を引き受けることにする。
マッツソンの妻に会い、彼のマンションの部屋の中を調べてから、ベックは彼ののみ友達のところに行き話を聞くが、役立つ情報は得られなかった。
ベックは単身、プタペストに飛び、マッツソンが泊まったホテルの同じ部屋に泊まる。
ベックに会いに来た大使館の書記官は、確実にわかっているのは、マッツソンが二十二日の夕刻にブタペストのフェリへギー国際空港から入国していることだけで、ブダペスト警察はマッツソンが有効なビザを持っている限り、彼の行方を探すつもりがないという。
数少ない手がかりをもとにベックは捜査を続けるが、マッツソンの行方はなかなかわからない。
そんな時にヴィルモス・スルカという地元の警察官が接触してくるが、その頃から何物かがベックを尾行していた。
ジャーナリストの不可解な失踪。
彼は一体どこにいるのか。
事件は袋小路に入るかのように思えたが…。
1966年8月のお話。
1966年というと、まだ鉄のカーテンがあった時代です。
描かれているブダペストの町が何やら重苦しくきな臭い感じがします。
一作目ではマルティン・ベックがろくに働いていないので、二作目で単身ブダペストに乗り込ませましたかね。
意外と彼、真面目です。奥さんと上手くいっていないにもかかわらず、若い女性の誘いに乗りませんもの。
ヴァランダーはラトビアで亡くなった中佐の奥さんとできちゃいますものね。
人間的にベックはあまり面白くないかも、笑。
一作目と同様、捜査はサクサクとは進んでいきません。
マルティン・ベックよりも脇役のコルベリの方が魅力的かもねww。
三作目は『バルコニーの男』で、これも地味な捜査になりそうです。
コメント
_ ろき ― 2024/01/19 22時06分10秒
_ coco ― 2024/01/20 09時45分03秒
ろきさん、ソ連時代のロシアみたいだったのではないでしょうか?描写が暗くて、常に見張られている感じが嫌ですよね。
そうね、ハニトラみたいでしたが、マルティン・ベックはそういうのに慣れてるみたい。もてたというのではなく、警察の風紀係をしていたからだそうです。自制心がすごいですね、笑。
そうね、ハニトラみたいでしたが、マルティン・ベックはそういうのに慣れてるみたい。もてたというのではなく、警察の風紀係をしていたからだそうです。自制心がすごいですね、笑。
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社会主義国に出張、大変ですね。
若い女性はハニトラかもしれないから避けたほうがいいと思います・笑