堂場瞬一 『脅迫者』&『垂れ込み』 ― 2025/02/17
警視庁追跡調査係シリーズの八作目と九作目。

『脅迫者 警視庁追跡調査係』
沖田大輝は五年ぶりに、元同僚の北岡と会う。
その時に新人刑事時代の話題が出て、沖田はある事件のことを思い出す。
あれは周りから浮いていた沖田への新人いじめだったのか?
気になった沖田は二十年以上も前に違和感を抱いた案件を再調査することにする。
当時、マル暴の近くにいたと思われる、三十歳、無職の加山貴男が、調布市の河川敷で遺体となって見つかるが、自殺とされた。
この時、沖田は非番で、日報の記載が中途半端だったので個人的にちょっと調べてみると、課長に呼びつけられた。他にもおかしなことがいくつかあった。
沖田は殺人事件の隠蔽が行われたのではないかと、今でも疑っている。
西川は懐疑的だったが、係長の鳩山は今、関わっている事件がないことから、当事者ではない西川に調査するよう指示する。
西川は庄田と調査を始めるが、動機以外に不審な点はなかった。
しかし、納得のいかない沖田は引き下がらない。
仕方ないので、お目付役に三井をつけるが、沖田の暴走は止まらない。
彼は当時、事件に関わった刑事たちの事情聴取を始める。
そんな時に、沖田は何者かに尾行されていることに気づく。
西川の奥さん、美也子さんが静岡の母親がいる実家に毎週行くようになり、先の見えない親の介護で、精神的に西川もまいっているようです。
沖田に「今回の件では全然切れがないぞ」と言われています。
沖田は沖田で、恋人との仲は相変わらず進展なしでしたが・・・。
アラアラ、「あなたたちいくつなの?」と聞きたくなりましたwww。
警察の闇やら癒着やらと、話が広がっていきますが、隠蔽の動機がねぇ。
やっぱり西川と沖田の二人はいいバディです。
このシリーズは堂場さんのシリーズ物に出てくる人たちが参加するものなんですね。
大友鉄や一之瀬拓真、村野、高城、鳴沢了と色々と出てきます。
『垂れ込み 警視庁追跡調査係』
山岡という男から十五年前の上野の通り魔事件の犯人に関する情報の垂れ込みがあった。
沖山が会いに行くが、山岡は現れなかった。
上野の通り魔事件とは、JR上野駅のすぐ近くにある通称「パンダ橋」で午後十時過ぎに四十五歳のサラリーマンが背後から刺され、犯人は逃走、被害者は病院で死亡したというものだ。
沖田は勝手に山岡のことを調べ、しつこく会おうとするが、再度すっぽかされ、その翌日、山岡は多摩川の河川敷で遺体となって見つかる。
一方、西川は追跡調査係が抱える重大案件の一つ、十年前の新宿通り魔事件を掘り返し始める。
新宿通り魔事件とは、JR新宿駅構内で夜の十時過ぎにサラリーマンがいきなり刺されて死亡した事件で、目撃者が多数いて、防犯カメラに犯人の姿が写っていたにもかかわらず、犯人特定にいたっていない。
そんな時に、池袋駅近くで通り魔事件が起こる。
上野事件と新宿事件と関係があるのか。
事件は意外な方向へ・・・。
沖田と恋人の響子の仲は微妙になってきています。
はっきり言って沖田は最低です。結婚してもしなくてもいいのですが、どっちにするか、はっきりさせましょうよ。
一方、西川は家に美也子の母親を引き取りますが、母親が実家に帰りたがって困っています。介護問題はうまい解決策がなかなか見つからなくて、大変です。
このままなら西川は本格的に帰宅恐怖症になりそうですね。
大友鉄が捜査一課に戻っていました。
『闇の叫び アナザーフェイス9』の後のことですね。
追跡捜査係と支援課が何度かバッティングして、相変わらずいがみあっています。
村野さん、是非二人を研修させてくださいww。
最後にびっくりすることがありますので、楽しみにしていてください。
大阪のおっちゃん刑事、鋭いです。
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