範乃秋晴 『装幀室のおしごと。本の表情つくりませんか?』2017/04/23



耳がまた片方だけ立っています。
この仔はだんだんと痩せてきています。
療養食のカロリーが少なく、動くのが多いからでしょうか。
こっそりと兄に見つからないように餌をやろうかしら?

お散歩の後、彼を抱いていたら、寝ていた兄が起きてきてジッと見ていました。
その後、ふてくされて寝にいきました。
弟を戻し、「おいで」というと、いつもは無視するくせに、すぐにやってきました。
何事も自分が一番の兄犬です。



これもお仕事本です。

本の装幀をどれぐらいの人が注目しているのでしょうか。
私は残念ながら、あまり興味がありません。
外側で選ぶというより、中身で選ぶのです。
本屋でおもしろそうな題名の本や好きな作家さんの本を手に取りますが、その後、本の裏側に書いてある内容紹介を見ておもしろいかどうか判断して選びます。
引越が多かったので、本を家に置いておくことは諦めました。
どうしても読みたかったら、もう一度買うか図書館で借りるかすることにしました。

今はこの本のカバーのように漫画チックな表紙が増えていますね。
漫画チックな表紙の本をライトノベルとか言うようですが、若い人がカバーから本を選んでもいいんじゃないでしょうか。
太宰治の『人間失格』が有名な漫画家の描いたカバーになって売れたということを聞きましたが、カバーを見て本を読もうと思っただけでもいいんじゃないでしょうか。
読んでみて、本って意外とおもしろいじゃないかと思えたら、それだけですばらしいことですから。

この本は出版社の中にある装幀室のお話です。
本を読みこみ、その本の内容にぴったりな紙、カバーデザイン、帯、文字組などを考えるのが装幀家のお仕事です。
本河わらべはこの信条に元ずいて装幀をしていました。
ところが、ある出版社と合併することになり、互いの仕事のやり方を知り、統一していくために、二社の社員がペアとなって装幀することになりました。
わらべの相手の巻島は「本の内容には目を通さない主義」で、売れるかどうかは内容に目を通したかどうかには関係ないと言い切ります。
彼は売れるカバーデザインをするということで有名な男でした。
装幀に対する価値観の違いでぶつかるわらべと巻島でしたが、いつしかいい相棒として互いを見るようになっていきます。

わらべと巻島のどちらがいいか悪いかということではなく、例え漫画チックなカバーであろうが、題名が「エ!」というものであろうが、売れなくなった本を売るために出版社は色々と努力をつづけているのです。
頑張ってください。