江國香織 『思いわずらうことなく愉しく生きよ』2007/06/19

本当に江國香織は題名の付け方が上手いですね。

犬山家の三姉妹の話です。
長女の麻子は結婚している。
夫の多田耕一は結婚してしばらく経つと、麻子に暴力をふるうようになった。
何故かそんな夫とは別れられない。
次女の治子は熊木という物書きと暮らしている。
彼は結婚したがっているのだけれど、治子はしたくはない。
熊木を愛しているのだけれど、たまに昔の男に会って、関係を持ってしまう。
三女の育子は人生について考えるのだけれど、男との関係はよくわからない。
簡単に男と関係を持つが、執着はない。
隣の家の奥さんと仲よくなり、息子と段階を踏んで付き合うことを楽しみ始めた。

いつも江國の本を読むたびに、全く私とは感性が違う主人公達に戸惑いを感じます。
でも、それが嫌じゃなくて、何故か、ふと、本を手に取るのです。

フワフワして、とらえどころのない女主人公たち。
こんな人たちが、俗に言う、女らしい女なのでしょうか?
次女の治子の言った、「人生は考え抜くものではなく、生きるものなのよ」という言葉になるほどと思いました。
骨太にゴツゴツ生きるより、軽やかに、思いわずらうことなく、愉しく生きる。こう生きられたら、最高ですね。

物語は唐突に終わります。
長女はDV夫と別れ、次女は男と別れ、三女は相変わらず、隣の息子と付き合っています。
人生は続く。さて、この姉妹にどういう人生が?

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