「あるスキャンダルの覚え書き」を観る2009/01/28

「エリザベス」でエリザベス女王を立派(?)に演じたケイト・ブランシェットが、捕らえようのない、女性的な美術教師シーバを演じています。
あんなに強い女性だったのに、まったく別人です。

この映画は観ていると、だんだん気持ち悪くなります。
主人公のバーバラが不気味に思えてくるのです。
バーバラはある中学校の歴史教師。
厳格で自分のやることは絶対に正しいと信じこんでいるタイプの教師です。
もちろん他の教師や生徒に嫌われていますが、それをわかっていません。
ようするに空気の読めない人なんですね。

ある日、新しい美術教師シーバがやってきます。
彼女はダウン症の息子のいる裕福な女性でしたが、働いたことがないのか、生徒の扱いがわからず、授業は滅茶苦茶。
そんな時、シーバに目をつけていたバーバラがシーバを助けます。
シーバはバーバラをいい人と勘違いしてしまい、色々と話をしてしまいます。
バーバラはちょっとレズッケがあるのかと思うほど、シーバにのめり込みます。
シーバに家族がいるのに迷惑も考えずに、自分の猫が死にそうだと、家にまで押しかけます。
友人ならそれぐらいしてくれても当たり前と思っているんです。
シーバが断ると、すごい剣幕。
それで終わればよかったのですが、バーバラがシーバの秘密を知ってしまうことにより、バーバラの暴走を止められなくなります。
シーバは生徒と関係を持っていたのです。
バーバラはすぐに別れるようにといいますが、それは自分の影響下にシーバを置きたいためでした。
シーバは別れるとは言ったのですが、なかなか別れられません。
一見幸せそうに見えるシーバも、心に闇を抱いていたのです。
シーバが生徒と別れていないことを知ったバーバラは激怒し、わざとシーバの秘密がばれるようにします。
が、それは自分の首を絞めることにもなったのです。

バーバラは孤独な人です。
ちょっと自分好みの女性がいると、互いに分かり合えると思い込み、妄想がだんだんと膨らんでいくのです。
一種のストーカーですね。
そんな性格だから、人との正常な関係を築けず、いつまでたっても孤独なのです。
こんな人が身近にいると怖いですね。
そういえば、ずっと前の同僚に独身老女で、こんな人いたなぁ。元気かしら?

ケイト・ブランシェットだけではなく、このバーバラを演じたジュディ・ディンチ、迫真の演技です。
やっぱり、一人でいるより、誰か(夫でも恋人でも)いないよりいた方が精神衛生上いいのかな、と思えた映画でした。
それにしても、生徒と関係持ったからといって、あんなにマスコミが押しかけなくても・・・と思ったのは私だけかしら?