デイヴィッド・ブロッツ 『ノーベル賞受賞者の精子バンク 天才の遺伝子は天才を生んだか』 ― 2009/06/24

なんとも意味深な題ですが、女性脳科学者の話から、ちょっと遺伝子に興味を持ったので、読んでみました。
1980年、割れないメガネレンズで財を成した大富豪ロバート・グラハムがカリフォルニアに精子バンク「レポジトリー・フォー・ジャーミナル・チョイス」を創設しました。
何故、グラハムが精子バンクを作ろうと思ったのでしょうか。
簡単に言うと、彼は優性学的観点から、優秀な遺伝子を世に残そうと思ったのです。
一番優秀な男は誰か?
それはノーベル賞受賞者!
ノーベル賞受賞者に手紙を出すのですが、相手にされませんでした。
それでどうしたかというと、グラハムが価値があると思った男性(例えば大学教授、SATで最高得点を取った人、ノーベル受賞者の息子、もと神童など・・・)に精子提供を頼んだのです。
看板に偽りアリ。
ノーベル賞受賞者の精子バンクと言っているのにね。
まあ、精子バンクなんて、こんなもんですかね。
本当にノーベル賞受賞者の精子かどうかなんて、実際わかりっこないんですから。
それよりも、自分の精子で妊娠させられないとわかった男性の方がかわいそうですよね。
自分の代わりにノーベル賞受賞者の精子を使ったと思うだけで、自尊心が傷つけられるような気がします。
著者のデイヴィッド・プロッツは、インターネットでこの精子バンクを利用した人に呼びかけます。
217人の子どもが生まれたはずですが、30人しか名乗りでてきませんでした。
名乗り出た大部分が母子家庭でした。
そのうち、同じ精子を使用した兄弟だとわかった子たちもいます。
名も知らない父親(精子提供者)に会いたいと思っている子もいました。
プロッツは精子提供者も探します。
何人か見つかるのですが、特に2人の両極端の性格の男性について詳しく書いてあります。
一人は当時ただの医学生で、IQ160と偽っていた男でした。
彼は何人も子どもを作っており、明らかにその子ども達になんら愛着を持っていない男性です。
もう一人は、科学者で、妻との間に子どもができなかった、愛情豊かな男性です。
この2人はそれぞれ子どもと会うのですが、悲喜こもごもでした。
さて、一番興味のある、ノーベル賞受賞者バンクから生まれた子たちはどうだったのでしょう。
結論を言っちゃえば、「全体的には平均以上だけれど、個人差がある」のだそうです。
失敗者もいれば、成功者もいる。
ある程度の素質を持っていれば、育て方によってどうにでもなるということですかね。
現在、アメリカでは精子は人気ごとに異なる値段がつけられているそうです。
ランキング上位にはスーパーモデル、(TV、新聞、雑誌や、ホームページなどで活躍する)モデル、成功を収めた商人、優秀な医者や弁護士や数学者等の専門家、スーパーハッカーなどの精子が入っているそうで、人間の欲望には限度がないですね。
ただ子どもができればいいというだけじゃ駄目なんですから。
今話題の臓器移植もそうですが、どこまでが人間の踏み込んでいい領域で、どこからが神の領域かの区別が難しいですね。
1980年、割れないメガネレンズで財を成した大富豪ロバート・グラハムがカリフォルニアに精子バンク「レポジトリー・フォー・ジャーミナル・チョイス」を創設しました。
何故、グラハムが精子バンクを作ろうと思ったのでしょうか。
簡単に言うと、彼は優性学的観点から、優秀な遺伝子を世に残そうと思ったのです。
一番優秀な男は誰か?
それはノーベル賞受賞者!
ノーベル賞受賞者に手紙を出すのですが、相手にされませんでした。
それでどうしたかというと、グラハムが価値があると思った男性(例えば大学教授、SATで最高得点を取った人、ノーベル受賞者の息子、もと神童など・・・)に精子提供を頼んだのです。
看板に偽りアリ。
ノーベル賞受賞者の精子バンクと言っているのにね。
まあ、精子バンクなんて、こんなもんですかね。
本当にノーベル賞受賞者の精子かどうかなんて、実際わかりっこないんですから。
それよりも、自分の精子で妊娠させられないとわかった男性の方がかわいそうですよね。
自分の代わりにノーベル賞受賞者の精子を使ったと思うだけで、自尊心が傷つけられるような気がします。
著者のデイヴィッド・プロッツは、インターネットでこの精子バンクを利用した人に呼びかけます。
217人の子どもが生まれたはずですが、30人しか名乗りでてきませんでした。
名乗り出た大部分が母子家庭でした。
そのうち、同じ精子を使用した兄弟だとわかった子たちもいます。
名も知らない父親(精子提供者)に会いたいと思っている子もいました。
プロッツは精子提供者も探します。
何人か見つかるのですが、特に2人の両極端の性格の男性について詳しく書いてあります。
一人は当時ただの医学生で、IQ160と偽っていた男でした。
彼は何人も子どもを作っており、明らかにその子ども達になんら愛着を持っていない男性です。
もう一人は、科学者で、妻との間に子どもができなかった、愛情豊かな男性です。
この2人はそれぞれ子どもと会うのですが、悲喜こもごもでした。
さて、一番興味のある、ノーベル賞受賞者バンクから生まれた子たちはどうだったのでしょう。
結論を言っちゃえば、「全体的には平均以上だけれど、個人差がある」のだそうです。
失敗者もいれば、成功者もいる。
ある程度の素質を持っていれば、育て方によってどうにでもなるということですかね。
現在、アメリカでは精子は人気ごとに異なる値段がつけられているそうです。
ランキング上位にはスーパーモデル、(TV、新聞、雑誌や、ホームページなどで活躍する)モデル、成功を収めた商人、優秀な医者や弁護士や数学者等の専門家、スーパーハッカーなどの精子が入っているそうで、人間の欲望には限度がないですね。
ただ子どもができればいいというだけじゃ駄目なんですから。
今話題の臓器移植もそうですが、どこまでが人間の踏み込んでいい領域で、どこからが神の領域かの区別が難しいですね。
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